カーデシアの戦い(Battle of Cardassia)もしくはカーデシア・プライムの戦いは、ドミニオン戦争中の2375年に戦われたドミニオン戦争の最終決戦であった。連邦連合軍はドミニオンのアルファ宇宙域の中心拠点であるカーデシア・プライムの陥落を目指し侵攻を行った。そして、この戦いにおいて連邦連合軍は勝利し、アルファ宇宙域のドミニオンはすべて無条件降伏した。
また、カーデシア・プライムの戦いに前後して、レガート・ダマール率いるカーデシア解放戦線は新たにカーデシアの一般市民を加え、ドミニオンの圧政に対して蜂起をした。彼らの活躍も決して見過ごせない要因である。彼らがカーデシア・プライム上で行った数々の破壊工作は、宇宙空間で連邦連合軍と対峙するドミニオン艦隊と地上の司令部との連絡及び支援を断絶させる上で大きな役割を果たした。カーデシアの一般市民の反乱はカーデシア艦隊をも動かし、カーデシア艦隊はドミニオンに対して反旗を翻した。しかし、戦争の終結までに8億人以上のカーデシアの一般市民がドミニオンによって虐殺されたのであった。(DS9:終わりなきはじまり・後編)
前兆[]
ドミニオンのアルファ宇宙域への大規模な攻勢は2375年後半までに失速した。ドミニオン軍は広大な領域の各戦線で消耗戦に陥り、そしてベイジョー・ワームホールは相変わらず封鎖されたままであったため、ガンマ宇宙域からの援軍も見込めない状況は続いていた。また、カーデシア領内の既存の産業基盤は長期間の攻勢を維持するためには不十分であった。
ドミニオンの勝利の唯一のカギは、ブリーン連合が保有するエネルギー抑制兵器であった。しかし、同兵器は第二次チントカ星系の戦いにおいて絶大な効果を発揮したが、ブリーン連合との同盟の直後にレガート・ダマール率いるカーデシア解放戦線が蜂起し、ドミニオンは止むを得ず国内の反乱鎮圧に多くの軍勢を割く必要に駆られたのであった。
連邦連合軍は、ダマールを密かに支援しブリーンのエネルギー抑制兵器を強奪。対抗方法を開発することに成功した。それはつまり、ドミニオンにとって最後の切り札を無効にされたのと同じ事であった。(DS9:嵐に立つ者たち)
アルファ宇宙域におけるドミニオンの最高指導者である女性可変種は、それまでに占領した連邦連合軍側の領土からすべての軍勢を撤退させ、残存の兵力をカーデシア領の防備にあたらせた。そうすることにより、補給路を短く保ち鉄壁の防御を保ちつつ軍備の再編成を行えるからである。そして、数年持ちこたえた後に、再編された軍備をもって大攻勢に出ることは安易に予想された。
ドミニオン軍の撤退は戦争終結の一つのきっかけともなりえた。なぜなら、征服されたすべての領土から敵軍が撤退したため、連合軍の主要な目的である全領域からのドミニオン勢の撤退という一つの目標は達せられたからであった。そして、女性可変種はその動きを望んでいた。
しかしながら、それは大きな誤算であった。ベンジャミン・シスコ大佐及びウィリアム・ロス中将はカーデシア領内にドミニオン軍が残存し続けることは、脅威が消えたことにはなりえないと確信していたからである。そして、連邦は同盟国に対して真の戦争終結のためにカーデシア・プライムのドミニオンの中央司令部を占領する方針を提案し、同盟国もこれに同意した。(DS9:自由への叫び)
戦闘[]
フェイズ1・侵入[]
DS9でカーデシア侵攻のための連合艦隊を組織し、今戦争で最も大規模となる1,200隻からなる連合艦隊がカーデシア・プライムへ向けて進軍を開始した。カーデシア・プライムからおよそ5光年、約1.5日の距離へ連合艦隊が近づいた時、女性可変種は可能な限りすべての艦に迎撃を命令した。
クリンゴンのマートク総裁はこの戦いでの勝利を予言し、祝杯のために2309年物のブラッドワインを1樽持参していた。
連合艦隊がカーデシア領へ侵入した際に、ドミニオン本部では女性可変種とウェイユン及びソット・プランが攻撃のための最終案を検討していた。女性可変種の命令でウェイユンはドミニオン艦隊の防衛線の中央が手薄であるため、再編成を指示しようとしていたとき、突然カーデシア・プライム上のほとんどの施設で大規模な停電が発生した。それは、レガート・ダマールに率いられたカーデシアの一般市民の一部が、ドミニオンの圧政を打倒するために立ち上がったのであった。また、停電によってドミニオン艦隊は地上からのサポートをすべて失ってしまい、その状態でドミニオン軍と連邦連合軍の両軍が激突し、戦いが始まった。
ドミニオン艦隊と連合艦隊の戦いは激しい砲雷撃戦が繰り広げられた。両軍、互いに大きな被害を出しつつも戦闘は継続した。ロミュラン軍の旗艦IRWドリッザーが大破し、ロミュラン戦線が崩壊しかけた時シスコ大佐率いるディファイアントと幾つかの部隊がロミュラン戦線に援軍として参加し、マートク率いるクリンゴン軍とロスが率いる連邦軍はドミニオンの防御ラインの中央突破を試みた。
地上では、一般市民による大規模な破壊工作への報復として、女性可変種はラカリアン・シティを破壊させ200万の一般市民を虐殺した。このまま破壊工作が続くのであれば、別の都市と一般市民を虐殺するとカーデシア市民に対して恫喝を行った。
宇宙空間での戦闘では、連合艦隊はドミニオン軍に左右側面から挟撃され戦線は崩壊寸前という状況であった。長期にわたる戦闘で連合艦隊は艦の多くを失い、連邦軍とロミュラン軍は後退を準備していた。
しかし、突如カーデシア艦隊が反転し、ジェムハダー及びブリーンへの攻撃を開始した。
ラカリアン・シティを破壊し民間人を虐殺したドミニオンに対して、カーデシア艦隊も遂にドミニオンに対して反旗を翻したのであった。連合艦隊はカーデシア艦隊を加えドミニオンの防衛線の中央突破を図った。
それを知った女性可変種は激怒し、レガート・ブロカの処刑と、カーデシア・プライムのすべてのカーデシア人をせん滅するようジェムハダー及びブリーンに対して命令した。そして、戦線が崩壊し始めたドミニオン艦隊に対して直ちにカーデシア・プライムまで後退を命じ、カーデシア・プライム防衛を指示した。(DS9:終わりなきはじまり)
フェイズ2・最終決戦[]
ドミニオン艦隊は撤退したが、戦いはまだ終わっていなかった。カーデシア艦隊が連合艦隊に加わり、一時的に勝利を納めた。ロス中将はすでに艦隊の33%(約400隻)を失っているためこのままカーデシア・プライムを包囲することを提案したが、シスコ大佐はドミニオン軍が再編成する前に決戦を挑むべきだと提案し、攻撃続行が決定した。
カーデシアではジェムハダー部隊がカーデシア人の処刑と住居ビルの破壊を繰り返していた。しかし、女性可変種が形態ウィルスの影響で瀕死の状態であった。
レガート・ダマール率いる反乱軍の生き残りはドミニオンの指令センター強襲を行った。命令に従いほとんどのジェムハダーはカーデシア人討伐作戦に出払っており警備は手薄であったため、司令室を占拠し女性可変種とウェイユンを捕虜にすることに成功した。しかし、戦いの最中にダマールは死亡した。
カーデシア・プライムの軌道上には、数千にも及ぶジェムハダー及びブリーンの艦が待ち受けていた。それに付け加え、軌道武器プラットフォームも配備されていた。
連合艦隊は三手にわかれて攻撃を準備した。連邦軍は軌道武器プラットフォーム、クリンゴン軍はブリーン軍、ロミュラン軍及びカーデシア軍はジェムハダー軍への攻撃を準備した。この戦いでの死傷者は残存部隊の40%に達することが見込まれた。
カーデシア解放戦線が女性可変種に対して降服を要求したが、女性可変種はこれを断固拒否し最後の一兵まで戦わせると述べた。そして、こう述べた。
- 「たとえ、そちらがこの戦争に、勝ったとしても…終わった時には大破した船と、死んだ兵士たちが累々と横たわるでしょう。勝利といえども敗北と同じように、苦いでしょうね。」
女性可変種は、この戦争に勝利したアルファ宇宙域の強国が今度はガンマ宇宙域へと攻め入りドミニオンを脅かすことを危惧していた。
しかし、戦闘が始まる前に同じく可変種のオドーが女性可変種を説得すると申し出た。そして、オドーは彼女と「つながる」ことにより彼女に降服を説得し、戦争は終結したのであった。(DS9:終わりなきはじまり)
戦いの終結[]
ベイジョー条約と呼ばれるドミニオン戦争の終結に関する条約のサインは、決戦から何日も後になって調印された。ドミニオンはアルファ宇宙域のすべての軍をガンマ宇宙域へ撤退させることに同意し、カーデシア連合は連邦連合軍によって占領された。
この戦争でカーデシア・プライムはほぼ壊滅し、8億人以上の民間人が犠牲となった。そして、何百隻もの艦とその人員も失われた銀河系史上最大の戦争はここに終結した。(DS9:終わりなきはじまり)
ドミニオン戦争の主な戦い |
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