ケイゾン(Kazon)は、デルタ宇宙域の種族である。惑星連邦とのファースト・コンタクトは、2371年に管理者によってデルタ宇宙域に連れてこられたUSSヴォイジャーと惑星オカンパでの遭遇であった。
歴史[]
ケイゾンは、母星をトレイブによって征服され奴隷とされた種族であった。現在の様に複数のセクトに分かれている状況がトレイブによる征服前からのものなのかは明らかになっていないが、トレイブはケイゾンを支配するための手段の一つとして各セクト同士を争わせた。このセクト同士の争いは現在でも尾を引き、度々セクト間での抗争を招いている。(VOY: 平和協定)
2346年、ジャー・サンカーはトレイブの支配から脱するために各セクトに連合を持ちかけ反乱を起こした。そして、ケイゾンはトレイブの技術と艦を手に入れた。一方のトレイブはケイゾンの執拗な妨害によって定住する星を持つことが出来ず、流浪の民としての生活を余儀なくされた。(VOY: ケイゾン戦士誕生、平和協定)
2371年、アルファ宇宙域からやってきたUSSヴォイジャーと、ケイゾンのセクトとしては初めてケイゾン・オーグラがファースト・コンタクトをする。だが、その後、管理者のステーションを巡る戦いによって、ヴォイジャーとケイゾンの関係は険悪なものとなってしまった。(VOY: 遥かなる地球へ)
2372年、キャスリン・ジェインウェイの呼びかけで、すべてのセクトのリーダーとトレイブの指導者であるメイバスの講和会議をソブラスで開催した。メイバスの目的はすべてのケイゾンのリーダーを暗殺することだったが、ジェインウェイの機転により暗殺は失敗する。しかし、ケイゾンとトレイブ、そしてヴォイジャーとの関係はより悪化することとなった。(VOY: 平和協定)
2373年初頭、ケイゾン・ニストリムはヴォイジャーを乗っ取り、クルーたちをハノン4号星に置き去りにした。しかし、それを脅威と認識したタラクシアと、ヴォイジャーのクルーが連携し、ヴォイジャーは奪還された。その後、ヴォイジャーとケイゾンが再び接触することはなかった。(VOY: ケイゾン総攻撃・前編、ケイゾン総攻撃・後編)
政治[]
ケイゾンはケイゾン集合体として知られていた。しかしながら、実際はセクトが各々独立した集合体であった。
ケイゾンの主要なセクトは、ケイゾン・オーグラ、ケイゾン・ニストリム、ケイゾン・レローラ、ケイゾン・ハリク、ケイゾン・オグラマー、ケイゾン・モストラル、ケイゾン・ホバイ、ケイゾン・ポマーであった。(VOY: 遥かなる地球へ、平和協定、ケイゾンの謀略、ケイゾン総攻撃・前編、ケイゾン総攻撃・後編)
セクトのリーダーはファースト・マージと呼ばれる。(VOY: 遥かなる地球へ)
前述のトレイブへの反乱により、サンカーは、現在のケイゾンでは偉大な指導者の一人として認識されている。しかし、彼の望んだ連合は反乱の成功後にすぐさま分裂を起こしたために結局、2371年になってもケイゾンの社会は、トレイブに支配されていた時代から続くセクト同士の抗争によって縛られ、ケイゾン全体を統治する政府も指導者も存在しなかった。
最も強力な二つのセクトがオーグラとレローラであった。レローラはケイゾンの労働力と艦の大部分を所有していた。ニストリムは勢力は減少したが、かつては強力なセクトであり、2372年までに6隻の襲撃機を所有していた。(VOY: ケイゾンの謀略)
また、ケイゾンの振る舞いはデルタ宇宙域において、トレイブやヴォイジャーに限らず多くの敵を作った。
例えば、タラクシア貿易輸送船団に対する攻撃は頻発していた。後にタラクシアは、トム・パリス中尉とドクター、ロン・スーダーによる、ケイゾンからのヴォイジャー奪還作戦に協力した。(VOY: 遥かなる地球へ、平和協定、パリスの裏切り、ケイゾン総攻撃・後編)
生理学[]
ケイゾン人はヒューマノイド種族であり、褐色の肌の少数民族と銅色の肌を持つ多数民族が存在する。ケイゾン人の額には特徴的な隆起があり、頭頂部には黒か茶色の縄の様に太い塊の様な髪の毛が生えている。(VOY: 遥かなる地球へ、他)
社会[]
ケイゾン社会は男尊女卑社会であり、女性による男性への意見や発言は忌み嫌われていた。(VOY: 平和協定、ケイゾンの謀略)
ケイゾンの男子は戦士として育てられ、成年に達する時に成年名を得るために訓練(詳細はジャーを参照)に参加する。成年名を得ることで本当の戦士になると彼らは考えていた。また、父親から息子への愛情表現は息子にとっての恥であるとも考えられていた。(VOY: ケイゾン戦士誕生)
何よりも、ケイゾンの社会では「力こそ正義」という考えが居座り続けており、種族全体を武力で統一しようとするような、暴力的な思想が浸透していた。実際に、ニストリムのファースト・マージ・カラは、ヴォイジャーを手に入れた暁には、その技術と武力を用いてケイゾンを統一して、種族全体の指導者にのし上がろうと野望を企てていた。(VOY: ケイゾンの謀略、ケイゾン総攻撃・前編、ケイゾン総攻撃・後編)
ケイゾンはボーグが同化を拒絶したことが知られている唯一の種族である。元ボーグ・ドローンであるセブン・オブ・ナインによれば、ケイゾンは生命体329と分類されており、「彼らは生物学的にも技術的にも低レベルだった。同化する価値などない。完全性を損なう種族を同化する意味があるか?」と述べた。(VOY: 大いなる森への旅)
また、29世紀へセブンが転送された際、ケイゾンの科学力では時間分裂爆弾をヴォイジャーに仕掛けることは不可能だとブラクストンに説明した。(VOY: 過去に仕掛けられた罪)
技術[]
ケイゾンはデルタ宇宙域内でトレイブから奪った技術を用いて勢力を広げていった。しかし、彼らはアルファ宇宙域の勢力の共通技術の多くを有してはいなかった。例として、ケイゾンはプラズマ・キャノンやディフレクター・シールドは所有していたが、ヴォイジャーとの遭遇まで、転送機やレプリケーター等の技術を知ることも触れたこともなかった。そのため、ケイゾンの最大勢力へと返り咲きを狙うニストリムは、セスカの協力もあって執拗にこれらの技術の強奪を試みたが、その度にヴォイジャーのクルーたちによって阻止された。(VOY: 遥かなる地球へ、裏切り者、平和協定)
ケイゾン襲撃機は宇宙艦隊のイントレピッド級と比較し戦術上も技術上も遥かに劣っていた。しかし、集団での攻撃や、その更に大型のケイゾン母艦は脅威となりえるものではあった。(VOY: パリスの裏切り、ケイゾンの謀略)
関連項目[]
人物[]
- ケイゾン一覧
- 無名のケイゾン
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