ケイボク(Kaybok)はクリンゴン防衛軍の将校であり、2372年までに司令官へと昇進し、IKSムチャールの艦長を務めていた。
2372年、マートク将軍指揮下のクリンゴン艦隊の一隻として、ケイボクの指揮するムチャールもベイジョー・セクターに召集され、ベイジョー星系から外界へと航行中だったSSゾザをトラクタービームで捕獲し、臨検を行なおうとした。
その時、ゾザの救難信号を受信したディープ・スペース・9から急行したUSSディファイアントと遭遇した。
クリンゴン最高評議会はアルファ宇宙域において可変種の脅威が増していることを認識しており、ケイボクを含むクリンゴン艦隊の艦長たちにベイジョー星系を出入りする艦船の臨検を命じていた。だが、この臨検は、同盟国であるベイジョー政府、および惑星連邦宇宙艦隊に対して無許可のものであり、ディファイアントの艦長であるベンジャミン・シスコ大佐は、ケイボクに臨検の中止を求めた。
しかし、ケイボクは最高評議会からの命令を盾にして警告を取り合わず、強引に臨検を続行しようとした。
シスコは、シールド、及び武器システムを起動し、ケイボクに臨検を中止させようとしたが、それに対してケイボクは臨検を止めるどころか、ゾザをトラクタービームで引き寄せて、乗り込もうとし始めた。
やむを得ずシスコはムチャールに対してフェイザーの威嚇射撃を行ない、ゾザから引き剥がした。ケイボクは同盟国である惑星連邦の艦船がそのような行動を取ったことに驚き、シスコを非難したが、シスコもまた、ケイボクが行なおうとしたことはベイジョーの法に反した行為であり、それでも食い下がったケイボクに対し、シスコはムチャールのエンジンにフェイザーのロックオンを命じた。
結局、ケイボクはゾザを解放し、ムチャールはベイジョー星系から遠ざかった。しかし、その直後、ケイボクは処刑され、彼のダクタフがマートクの手でシスコの元に届けられた。
その罪状は命令不服従であったが、ケイボクは命令を怠慢から放棄したのではなく、同盟国である宇宙艦隊の艦船の妨害にあり、尚且つ、攻撃許可もなかったことにより、撤退を余儀なくされただけであった。後にマートクに対して詰め寄ったウォーフは、ケイボクの処刑は罰としては重過ぎ、あまりにも常軌を逸した行動であったことを言及した。(DS9: クリンゴンの暴挙)