![]() 宇宙艦のワープ・コアのダイリチウム結晶 | |
名称: | ダイリチウム |
記号: | Dt |
元素番号: | 不明 |
原子量: | 87 |
ダイリチウム(Dilithium)とは、結晶質の鉱物であり、別名ラダンとしても知られるハイパーソニック類の元素である。多くの宇宙艦のワープ・ドライブを稼働させるために使用されている。ダイリチウムは高電磁場などの「特定条件下において反物質と反応しない」という極めて特殊な性質を持つ鉱物であり、ダイリチウムを収束レンズとして物質/反物質反応炉の中央に設置させることで、ワープ・コアで得られた莫大なプラズマ・エネルギーを極めて高密度なワープ・プラズマ(電気プラズマ)に精製することができる。ワープ・コア内で高温・高圧の条件下に晒されたダイリチウムの結晶構造には多くの隙間ができ、反物質エネルギーを透過する性質を持つようになる。これにより、正物質/反物質の対消滅反応によって生じたエネルギーを、反応チャンバー内で電磁プラズマの流れとして制御する。

ラダンのネックレス
ダイリチウムは銀河系の中でもごく少数の惑星や星雲でしか産出されず、貴重な物質とされている。ダイリチウムの産地として知られているのは、連邦の領域内ではコリダン星、エラス、また、クリンゴン帝国の領域内ではルラ・ペンテ、ロミュラン帝国ではレムス等が知られている。(TOS: 惑星オリオンの侵略、トロイアスの王女エラン、スタートレック6:未知の世界、DS9: ルビコンの奇跡、スタートレック:ネメシス) また、惑星トロイアスにおいても産出され、ここでは宝石類を含む様々な用途に利用されている。ダイリチウムはこの惑星ではラダンと呼ばれている。(TOS: トロイアスの王女エラン)

USSヴォイジャーのシャトルクラフトのコンピュータ・コアに表示されたダイリチウム結晶の図。(VOY: ヴォイジャーの神々)
ある特殊な条件化において、地中に堆積したダイリチウムは完璧な格子状の結晶構造となる。ダイリチウムの量が十分であれば、エネルギーを発生する層がそこに形成され、惑星の放射熱を受けることにより物理エネルギーへと変換される。この物理エネルギーが惑星の地殻構造にストレスを与え、惑星そのものを粉々に吹き飛ばすこともある。これはセルカンディ・ドレマ・セクターにおいて多くの惑星が破壊された原因であった。

連邦ダイリチウム再処理施設。
ダイリチウムの埋蔵の有無を地質調査で検出する方法の一つとして、紫外線吸収パターンを検知するという方法がある。ある特徴的なパターンはダイリチウム鉱石と共に形成されたトラッカーの埋蔵を示す性質があった。そして、アイコ・スペクトル写真で鉱石の存在を確認するためのスキャンを行うことができる。(TNG: 未知なるメッセージ)
歴史[]
1947年の地球にタイムトラベルしたクワークはアメリカ合衆国レックス・デニング大将に商取引のための通貨としてダイリチウムはあるかどうか尋ねた。(DS9: フェレンギ人囚わる)
31世紀後期には、ダイリチウムは枯渇しつつある状況になっていた。そこで連邦では新たなワープ技術の開発を進めたが、信頼性と有用性において従来のものに及ばなかった。3069年ごろ、銀河中で突然に精製されたダイリチウムが不活性となって物質・反物質反応が制御不能に陥ったことが原因で、ワープ・コア稼働中の艦船はすべて破壊されるという大惨事が発生した。この「大火」と呼ばれる大災害により、惑星連邦はその秩序を維持できなくなって半ば崩壊の一途をたどり、地球やニヴァーが連邦を脱退するなど多くの惑星やコロニーが分離独立することになった。そして、精製されずに残っていたダイリチウムは高値で取引されるようになった。(DIS: 希望を信じる者・前編、地球の人々、真の統一)
3189年、USSディスカバリーは大火の原因を追究するうち、ヴェルビン星雲の中に全体がダイリチウムで構成される惑星シータ・ゼータを発見した。この膨大な埋蔵量により宇宙艦隊はダイリチウムを連邦の諸惑星や諸勢力に供給することができるようになった。(DIS: スカール、希望を信じる者・後編)
利用例[]

破損したダイリチウム結晶。(2268年)

再増幅処置を受けるダイリチウム結晶(2267年)
2160年代半ばの地球のNX級宇宙艦はそのワープ・コアにダイリチウム・マトリックスを使用していた。(ENT: クリンゴンの苦境) 2260年代中盤のコンスティチューション級ではリチウムの結晶も用いられていた。(TOS: 恐怖のビーナス)
宇宙艦隊の宇宙艦では、ダイリチウムが物質と反物質の反応を制御するために使用されていた。インジェクターにより物質と反物質をダイリチウム・チャンバーに供給し、それらを混合することで反応させた。ダイリチウムによってその反応を適切に制御した。(ENT: 誘惑の甘い罠)
ザトウクジラを求めて1980年代にタイムスリップしたHMSバウンティは、恒星でのスリングショットによるタイムトラベル後、ダイリチウム結晶が破損し、エネルギー消失の危機に陥った。しかし、アメリカ海軍の原子力空母から高エネルギー光子を集め、それをダイリチウム・チャンバーに注入することによって、ダイリチウムを再結晶化させた。(スタートレック4:故郷への長い道)
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ダイリチウム産出[]
- カジタール4号星(SNW: 壊れた環)
- コリダン(ENT: 恩讐を越えて、TOS: 惑星オリオンの侵略、DS9: ルビコンの奇跡)
- コルヴァン2号星(DIS: 殺戮者のナイフは子羊の悲鳴など気にかけない)
- ドザリア(DS9: デュカットの娘)
- エラス(TOS: トロイアスの王女エラン)
- ハルカンの母星(TOS: イオン嵐の恐怖)
- ケリスの母星 (VOY: ヴォイジャーの神々)
- Planet 0042692 (PRO: All the World's a Stage)
- レムス (スタートレック:ネメシス)
- ルラ・ペンテ(スタートレック6:未知の世界、ENT: 反逆の法廷)
- セルカンディ・ドレマ・セクターの惑星 (TNG: 未知なるメッセージ)
- トロイアス(TOS: トロイアスの王女エラン)
- ザヒア (ST: 逃亡者)
- シータ・ゼータ(ヴェルビン星雲内)(DIS: スカール、潮時、希望を信じる者・後編)
ハイパーソニック類 | |
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元素: | クリプトナイト • Stoogeium • Stoogeian • Purseronite • プリンセシウム • Tngonian • エストニアニウム • ダイリチウム • Curly • Poi |
その他: | ガンマ類 • オメガ類 • ワールド類 • トランソニック類 • メガ類 |
付録[]
背景[]
化学的には、接頭辞「di-」(日本語では「ジ-」)の使用は原子が2つあることを意味し、ダイリチウム(dilithium)はリチウム原子2つで出来ていることになる。しかしながらリチウムは金属であり、二原子分子を作ることはない。現実の「ジリチウム(dilithium)」(共有結合した2つのリチウム原子)は、現在知られている限りでは気体の状態でのみ存在する。
元々、ワープ反応を制御するのにリチウムが使われると言われていたが、リチウムは実在の元素であるため、知られている性質では、作家が求めるようなことが不可能であろうことがすぐに気づかれた。(Star Trek Encyclopedia)
ダイリチウムの塊の小道具がいくつか eBay の It's A Wrap! sale and auction で売られた。[1] [2]
外部リンク[]
- ダイリチウム:Wikipedia日本語版
- Dilithium:非正史スタートレックWiki Memory Beta英語版