Memory Alpha
Advertisement
「また私をつけっぱなしにして出て行った!」
「初めに、闇があった。 まだ無のマトリックスは光を待っていた。 そして、姿を現した一粒の光。その光は瞬く間に数を増やして、光の道筋を作り、混沌の中にサブルーチンが現れる。 そして、意識をもったホログラムが生まれた。私は完全にプログラムされていたが、まだ無知であった。 私に襲いかかる困難にも、私が秘めている可能性にも気づいていなかったのである。」
ドクター (VOY:夢みるホログラム

 ドクター(The Doctor)とは、連邦宇宙艦USSヴォイジャー(NCC-74656)に搭載された緊急用医療ホログラムEMH)であり、固有名を持たない彼は医者であることから便宜上ドクターと呼ばれた。

 EMHマーク1として開発された彼は宇宙艦隊としては初の緊急用医療ホログラムであり、ノヴァ級イントレピッド級ソヴェリン級といった当時の最新鋭艦に搭載された。彼の容姿は開発者であるルイス・ジマーマン博士をモデルとしており、その名前が示す通り医療上の緊急事態時に対応するように開発されたコンピュータ・プログラムである。EMHの詳細は緊急用医療ホログラムを参照。


医療部長・ドクターとして

 2371年、USSヴォイジャーデルタ宇宙域に座礁した際、同艦の医療スタッフはその衝撃で全滅し、ドクターは緊急時医療目的のコンピュータ・ホログラムとして起動された。しかしながら当時のクルーにとって、彼はそれ以上でも以下でもなく、新任の医療部長を宇宙艦隊に要請・着任させるまでのいわば便宜的な医者であった。

 その後ヴォイジャーはデルタ宇宙域に残存し、宇宙艦隊と接触できなくなってしまい、クルーは一切の医療を、このホログラム・ドクターに頼らざるを得なくなってしまった。それでもクルーの彼に対する態度は「コンピュータ・プログラム」に対するものであり、彼は医療室を出たり、自分でプログラム終了することすらできなかった。

 そんな彼の待遇を見かねたケスは、キャスリン・ジェインウェイ艦長に直談判し、ドクターにプログラム拡張の機会を与えた。以後ドクターは自身の努力と友人たちの助力により、名実ともに「医療部長・ドクター」の地位を獲得していったのである。

基本/性格マトリックス

 外見マトリックスは、製作者のルイス・ジマーマンをモデルとし、性格マトリックスは彼の性格を元にレジナルド・バークレーがプログラミングしたものである。ドクターの偏屈で皮肉っぽい性格は、このふたりの変人によるためである。

 ドクターには500万以上の医療技術がプログラムされており、知識だけでなく手術をするための触覚サブルーチン、診察プロトコルなどが盛り込まれている。通常、これらの膨大な容量のプログラムをホログラムに移植すれば、ホロ・マトリックスが崩壊してしまうため、EMHはそうそう簡単に作ることはできない。

ドクターの名前

 初起動からほどなく、ケスに名前をつけることを勧められる。彼は医療データベースの中から候補をピックアップし、悩みつつ、最初に「シュヴァイツアー」を選ぶ。しかし、任務中に起こった悲しい出来事により、この名前はとりやめてしまった。(VOY:英雄伝説

 それ以後、名前をつけるかつけないか延々と先延ばしとなった。

可能性の未来

 ヴォイジャーがデルタ宇宙域を23年間航行した未来では、初起動から33年後にようやく「ジョー」という名前をつけていた。(VOY:道は星雲の彼方へ

 また可能性の未来において、「ヴァン・ゴッホ」という名前を名乗っていたこともある。(VOY:9歳のケス

拡張プログラム

  • 歌スキル オペラを好んで歌う。鼻歌もよく歌う。
  • 絵画スキル
  • ホロ・ノベル制作
  • 皮肉を言う
  • セックス
  • 空想をする
  • シャトルデルタ・フライヤーの操縦
  • 緊急用司令ホログラム 艦長代理不在時に、艦の操縦・管理、戦術、指揮能力が付加される。
  • モバイル・エミッタ 厳密に言えば拡張プログラムではないが、これにより医療室から出ることができる。

勲章

  • 宇宙艦隊褒賞勲章2376年
Advertisement