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'''ワープ・エンジン・ナセル'''(Warp engine nacelle)とは、[[宇宙艦]]の重要な外部機関のひとつであり、宇宙艦を[[ワープ・フィールド]]で包み込んで、船体を超光速滑走させる装置である。ナセルの形状は種族や文化によってさまざまであるが、基礎構造は同じである。 |
'''ワープ・エンジン・ナセル'''(Warp engine nacelle)とは、[[宇宙艦]]の重要な外部機関のひとつであり、宇宙艦を[[ワープ・フィールド]]で包み込んで、船体を超光速滑走させる装置である。ナセルの形状は種族や文化によってさまざまであるが、基礎構造は同じである。 |
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− | [[宇宙艦隊]]の艦のワープ・ナセルは通常、船体に対して大きくとられた棒状の外部機関である([[USSエンタープライズD]]の場合、 |
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− | ナセル内部には亜空間発生装置である[[ワープ・コイル]]が複数並べて設置されている。コイルは[[ワープ・コア]]から送られた高密度プラズマ(ワープ・プラズマ)が注入されることで、非対称型の[[亜空間]]フィールド・バブル――ワープ・フィールドを発生させる。ワープ・フィールドで包まれた船体は、相対性理論の制限を突破し、[[光速]]を超えるスピードでの航行が可能になる。([[ENT:時を見つめる男]])ワープ・ナセルは、2063年に[[ゼフラム・コクレーン]]が[[フェニックス]]号で最初のワープ航行に成功して以来、ほとんどの宇宙艦に共通して見られる装備である。 |
+ | ナセル内部には亜空間発生装置である[[ワープ・コイル]]が複数並べて設置されている。コイルは[[ワープ・コア]]から送られた高密度プラズマ([[ワープ・プラズマ]])が注入されることで、非対称型の[[亜空間]]フィールド・バブル――ワープ・フィールドを発生させる。ワープ・フィールドで包まれた船体は、相対性理論の制限を突破し、[[光速]]を超えるスピードでの航行が可能になる。([[ENT:時を見つめる男]])ワープ・ナセルは、2063年に[[ゼフラム・コクレーン]]が[[フェニックス]]号で最初のワープ航行に成功して以来、ほとんどの宇宙艦に共通して見られる装備である。 |
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+ | 24世紀における[[惑星連邦|連邦]]の宇宙艦では、ワープ・コイルは[[ワープ・コア]]の反応炉から[[プラズマ・コンジット]]を通じてエネルギーを供給される。ナセルは通常運転時でも艦やクルーにとって有害な放射線を発するため、艦の主船体からは離して取り付けられるのが普通である。ナセルは、大きな[[パイロン]]によって船体から離され、先端部には[[バサード・コレクター]]が内蔵されている。これにより[[インパルス・エンジン]]の燃料となる水素を宇宙空間よりかき集めて補充する。 |
ナセル内部には、システムのモニターやメンテナンスを行うためのコントロール室があり、[[ターボ・リフト]]が使えないような状況でも[[ジェフリー・チューブ]]を通じて行き来することが可能である。22世紀の[[NX級]]試作機である[[エンタープライズNX-01]]では、ナセル内部を前後に貫く形で[[キャット・ウォーク]]が据え付けられており、[[ニュートロン嵐]]の発する放射能から乗員を保護するなど、シェルターとして機能することもある。([[ENT:嵐を告げる男達]]、[[ENT:光の意志]]) |
ナセル内部には、システムのモニターやメンテナンスを行うためのコントロール室があり、[[ターボ・リフト]]が使えないような状況でも[[ジェフリー・チューブ]]を通じて行き来することが可能である。22世紀の[[NX級]]試作機である[[エンタープライズNX-01]]では、ナセル内部を前後に貫く形で[[キャット・ウォーク]]が据え付けられており、[[ニュートロン嵐]]の発する放射能から乗員を保護するなど、シェルターとして機能することもある。([[ENT:嵐を告げる男達]]、[[ENT:光の意志]]) |
2010年3月18日 (木) 18:11時点における版
ワープ・エンジン・ナセル(Warp engine nacelle)とは、宇宙艦の重要な外部機関のひとつであり、宇宙艦をワープ・フィールドで包み込んで、船体を超光速滑走させる装置である。ナセルの形状は種族や文化によってさまざまであるが、基礎構造は同じである。
宇宙艦隊の艦のワープ・ナセルは通常、船体に対して大きくとられた棒状の外部機関である(USSエンタープライズDの場合、2本)。先端はバサード・コレクター(またはバサード・ラムスクープ)と呼ばれる部分(同艦の赤く発光する部分)で、本体にはワープ・フィールドを発生させるワープ・フィールド・グリル(同艦の青く発光する部分)が設置されている。なお、バサード・コレクターは、宇宙空間から燃料となる粒子(水素やシリリウムなど)を収集する装置であり、ワープ・ドライブとの直接関係はない。
ナセル内部には亜空間発生装置であるワープ・コイルが複数並べて設置されている。コイルはワープ・コアから送られた高密度プラズマ(ワープ・プラズマ)が注入されることで、非対称型の亜空間フィールド・バブル――ワープ・フィールドを発生させる。ワープ・フィールドで包まれた船体は、相対性理論の制限を突破し、光速を超えるスピードでの航行が可能になる。(ENT:時を見つめる男)ワープ・ナセルは、2063年にゼフラム・コクレーンがフェニックス号で最初のワープ航行に成功して以来、ほとんどの宇宙艦に共通して見られる装備である。
24世紀における連邦の宇宙艦では、ワープ・コイルはワープ・コアの反応炉からプラズマ・コンジットを通じてエネルギーを供給される。ナセルは通常運転時でも艦やクルーにとって有害な放射線を発するため、艦の主船体からは離して取り付けられるのが普通である。ナセルは、大きなパイロンによって船体から離され、先端部にはバサード・コレクターが内蔵されている。これによりインパルス・エンジンの燃料となる水素を宇宙空間よりかき集めて補充する。
ナセル内部には、システムのモニターやメンテナンスを行うためのコントロール室があり、ターボ・リフトが使えないような状況でもジェフリー・チューブを通じて行き来することが可能である。22世紀のNX級試作機であるエンタープライズNX-01では、ナセル内部を前後に貫く形でキャット・ウォークが据え付けられており、ニュートロン嵐の発する放射能から乗員を保護するなど、シェルターとして機能することもある。(ENT:嵐を告げる男達、ENT:光の意志)
通常、ほとんどの艦は2基のナセルを搭載しているが、片方だけのナセルでも速度は低下するものの航行は可能である。(VOY:時空侵略戦争)それ以上のナセルを搭載した艦の例としては、連邦のコンステレーション級があり、これは4基のナセルを搭載していた。 また、可能性の未来の時間枠の中では、3基のナセルを持つ改装型USSエンタープライズDが登場した。(TNG:永遠への旅)
ワープ速度未満の亜光速においても、敵の攻撃、もしくは他の物体との衝突により、艦全体にエネルギーフィードバックが引き起こされ、深刻なダメージをもたらす場合がある。USSエンタープライズDは、別の時間軸の中で片方のナセルがUSSボズマンと衝突し、大爆発した。(TNG:恐怖の宇宙時間連続体)
ディファイアント級や、スチームランナー級など、ナセルがパイロンを介さずに、船体の主構造と一体化している例もある。
2269年の実験により、宇宙船の航行にとって最も効率的なナセルの数は2本とされた。(Star Trek:The Next Generation Technical Manualより)また、船が損傷し、ナセルを安全に維持することが不可能になった場合は、接合部を爆破することによりナセルを切り離すことが可能であるが、もしワープ航行中に突然ナセルが失われた場合は、船体の分解に繋がるおそれもある。
背景
ナセルという語は、もともとは航空機や船舶においてエンジンを包み込む外殻のことで、これがそのまま宇宙船にも当てはめられたものである。