ナビゲーション・ディフレクター(Navigational Deflector)とは、多くの宇宙艦に装備される装置であり、この装置の役割は宇宙空間の航行中に船体と衝突するかもしれないスペース・デブリや小惑星、微細粒子などから船体を保護するためのシールド発生装置である。特にワープ航行中では微細な粒子が船体に衝突するだけで重大な被害を及ぼすため、ワープ技術と共に超光速航行には必須の技術ともいえる。尚、このナビゲーション・ディフレクターで発生されるシールドを強化することにより防御シールドとして使用される技術でもある。
ナビゲーション・ディフレクターはしばしば、ディフレクター・アレイ(Deflector array)、ディフレクター盤(Deflector dish)と呼称される場合もある。
技術情報[]
ディフレクターは通常の連邦宇宙艦では第二船体の最前面に配置されており、皿(Dish)の形をしている。22世紀から23世紀中盤まではパラボラアンテナ型のものが主流であった。ここにはシールド・ジェネレーターも含まれている。様々な空間物質から船体を守るためのシールドを発生させるほか、ディフレクター・シールドとして高出力の防御シールドを形成することもできる。また、トラクター・ビームのロックを外すための機能も備わっている。
また、ディフレクターには長距離センサーも搭載されており、ワープ航行中などは数光年先をスキャンしながら進むこととなる。また、空間異常などもディフレクターに搭載されたセンサー・アレイを用いてスキャンし、空間の歪みを回避するために使用することも可能である。
戦闘中には、ディフレクター・シールドの出力を上げて敵からの攻撃を防ぐ役割を果たす。また、シールドの出力を更に上げることによりシールド範囲を広げて他の宇宙艦を自艦のシールド内に保護することも可能であるが、膨大なエネルギーを消費する。
近年の連邦宇宙艦はメイン・ディフレクターの他に補助ディフレクターを搭載している場合がある。代表的な例はイントレピッド級であり、イントレピッド級は円盤部の前部デッキ6に配置されている。
また、ソヴェリン級のディフレクターには反陽子が使用されており、万が一粒子兵器がディフレクターに直撃した場合は、艦が大爆発を起こす恐れがある。ディフレクターは艦を守る要であるのと同時に、最大の弱点でもある。USSオデッセイはディフレクターへ体当たり攻撃を受けて一撃で撃沈された。(スタートレック:ファーストコンタクト、DS9:新たなる脅威)
ミランダ級やコンステレーション級及びソユーズ級には他の艦と違いナビゲーション・ディフレクターが装備されていないように見える。しかし、これらの艦はトラクター・ビーム・エミッターをディフレクターとして使用しているため、同等の効果を上げることができている。表面上ディフレクターを装備しているように見えない他の勢力の艦も同様の方法をとっているものと思われる。
ディフレクターの構成要素[]
- ブースター・モジュレーター
- コリマター
- ディフレクター・フィールド
- エミッター・アレイ
- シールド・ジェネレーター
- 電流安定装置
- 磁気ロック