ナレンドラ3号星の戦い(Battle of Narendra III)とは、歴史的な事件であり、惑星連邦宇宙艦隊所属のUSSエンタープライズCとロミュラン・ウォーバード4隻との間で起きた軍事衝突である。
戦闘の経過[]
USSエンタープライズCはクリンゴン帝国の植民星であるナレンドラ3号星から救難信号を受信し、現地に急行した。
ナレンドラ3号星に到着すると、その軌道上ではロミュラン・ウォーバード4隻がナレンドラ3号星の植民地を攻撃しており、エンタープライズCの艦長レイチェル・ギャレット大佐は直ちに戦闘態勢を指示し、ウォーバード4隻と勝ち目のない戦いに臨んだ。それでもエンタープライズCのクルーたちは勇敢に戦い、激戦を繰り広げた。
結末[]
エンタープライズCはウォーバードの猛攻撃に晒されて撃沈され、ナレンドラ3号星のクリンゴンの植民地も後の攻撃で壊滅したが、この事件を機に、冷め切っていたクリンゴンと惑星連邦の関係が再燃し、強固な同盟関係を2372年まで維持することとなる。(TNG:亡霊戦艦エンタープライズ'C')
別の時間軸との接触[]
この戦闘中にエンタープライズCは敵艦との撃ち合いで高エネルギーがぶつかり合って発生した時空の裂け目に突入し、別の時間軸の2366年にタイムスリップしてしまった。
この2366年ではナレンドラ3号星事件のことが歴史には記されることなく、そのまま惑星連邦とクリンゴンの関係は悪化し、2366年時点で全面戦争に陥り、犠牲者は400億人に及んでいた。
その時間軸におけるUSSエンタープライズDの艦長ジャン=リュック・ピカード大佐の説得によって、ギャレット、リチャード・カスティーヨらエンタープライズCのクルーたちはナレンドラ3号星の戦いへと戻ることを決意した。
しかし、本来の時間軸で、自分が無意味な死を迎えたと知ったエンタープライズDの保安部長ナターシャ・ヤー大尉はエンタープライズCへの転属を望み、戦術士官としてナレンドラ3号星の戦いに参加した。(TNG:亡霊戦艦エンタープライズ“C”)
エンタープライズCが撃沈される直前に、生き残った数少ない生存者たちは脱出ポッドに乗ったが、それらはすべてロミュランに回収された。生存者の中にはターシャもおり、彼女はロミュランの士官と結婚して娘が生まれたものの、数年後にロミュラスからの脱出を試みた折、処刑された。(TNG:クリンゴン帝国の危機・後編)
余談[]
ナレンドラ3号星はかつてエンタープライズ(NX-01)の船長ジョナサン・アーチャー大佐の裁判が開かれた地であり、地球連合宇宙艦隊とクリンゴン帝国との関係を悪化させた地でもあった。それが192年後に起きた本事件により、両者の関係が修復される地に転じるという皮肉な結果となった。(ENT:反逆の法廷)