ネーム・シップ(Name ship)とは、基本設計を同じくする同型艦群の中で、一番最初に建造された艦を指す。
工業製品などは製品の量産を行うのが通例であるが、量産のメリットは一般的に原料の調達コストなどの製造費用を抑える効果と、同じ規格で生産される為、同じ生産設備を使用することができることによる生産面での有利さとされている。
これらは艦船にもいえることであり、古く地球の歴史においても基本となる艦の設計をベースに、同型艦の建造を行い、生産コストなどを下げる工夫が用いられた。また、同じ性能を持つ艦を量産することにより、艦隊の編成や戦術などの運用においても極めて効果的な方法でもあった。
通常、軍艦の場合は工業製品と違い一隻一隻に固有の名称がつけられる。そのため、量産された艦の中で最も最初に建造された艦の名称が、その同型艦の等級名となることが通例であった。(例:地球史上最大の戦艦であった戦艦大和には、同型艦の戦艦武蔵が存在しており、大和と武蔵を通常大和型もしくは大和級戦艦と分類していた)
- 艦船等級の項も参照してください。
宇宙艦隊における実例[]
宇宙艦隊においてもネーム・シップの制度は存在している。宇宙艦隊の艦は設計段階から基本的に量産を目的として設計されるため、開発プロジェクトの段階でその新造艦のクラス名が定められている場合もある。ギャラクシー級はその一例であり、開発プロジェクトの段階で「ギャラクシー級開発プロジェクト」と呼称され、プロトタイプのUSSギャラクシーがネーム・シップとなった。その後同じ規格で建造されたUSSヤマトやUSSエンタープライズDなどの艦はすべてUSSギャラクシーの基本設計を踏襲した量産艦とされ、ギャラクシー級と呼ばれている。