バサード・コレクター(Bussard collector)は、ワープ・ナセル先端に取り付けられている装置で、主に、燃料となる星間物質(水素原子)を宇宙空間より収集するのがその役割である。バサード・ラムスクープ(Bussard ramscoop)もしくはラムスクープの名でも知られる。
この推進方式は、20世紀の物理学者であり、数学者であるロバート・W・バサードによって提唱された。
連邦の宇宙艦は全て、星間物質の粒子を収集するための最適な位置にバサード・コレクターが装備されている。太陽系内や、星雲内のような粒子密度の宙域が、収集には最も適している。
USSエンタープライズDのバサード・コレクターは、イオン化ビーム・エミッター(Ionizing Beam Emitter: IBE)、磁気フィールド・ジェネレーター/コレクター(Magnetic Field Generator/Collector: MFG/C)、連続サイクル分別器(Continuous Cycle Fractionator: CCF)より成っている。また、これらを覆っているナセル先端のキャップは、一体成型された部品としては艦の中で最大のものであり、エミッターの発生する狭い周波のイオン化ガスの光を通す性質がある。
バサード・コレクターは、通常、燃料となる水素、特にデューテリウム(重水素)の補充のためにあるが、調整を行うことで、シリリウム等の様々なガスや、プラズマの粒子を収集することも可能である。また、少量であれば、量子電荷反転装置を用いて、デューテリウムを反物質燃料に転換することも可能である。
2374年、セブン・オブ・ナインは、イントレピッド級のバサード・コレクターは理想的なものではないと判断し、USSヴォイジャーに一連の改造を施した。その結果、23パーセントの高効率化が実現された。(VOY: 姿なき追跡者)
バサード・コレクターは、再調整によりガスやプラズマを放出することも可能である。(TNG: 愚かなる欲望) また、ナディオン放射は発生しない。(VOY: 呪われた12デッキ) トスクの使用するバサード・コレクターは、アーヴァ・ノードとして知られる。(DS9: ワーム・ホールから来たエイリアン)