ファースト・コンタクト(First contact)とは、別々の種族が初めて公式に接触することを指す。
惑星連邦において、ファースト・コンタクトの規定は「艦隊の誓い」によって厳しく規制されている。その最低条件は、文明が十分高度に発展し、恒星間航行技術(ワープ技術)を保有しているというものである。これら条件に当てはまらない原始の文明や種族との接触は固く禁じられている。
ファースト・コンタクトの手順として、その種族の科学者や政治指導者等に接触を試みるのが妥当であるとされている。なぜなら、その種の者は未知の文明に対して寛容な態度を示す可能性が高いからである。また、場合によっては接触前にあらかじめ文化を調査するために、住人に変装した宇宙艦隊士官が潜入調査する場合もある。(TNG:ファースト・コンタクト)
宇宙艦隊のマッカラ大佐が宇宙艦隊のファースト・コンタクトの手順の改定を行ったことが知られているが、内容は詳しくは述べられていない。(DS9:死のゲーム)
USSエンタープライズのジャン=リュック・ピカード大佐は2379年までの間に27の種族とのファースト・コンタクトを行ったと述べている。(スタートレック:ネメシス)
- ファースト・コンタクトの一覧表は「ファースト・コンタクト一覧」を参照。
人類とヴァルカンのファースト・コンタクト
人類とヴァルカンのファースト・コンタクトは2063年4月5日の晩に行われた。ゼフレム・コクレーンが人類初のワープ実験を成功させた際に、偶然にも太陽系を通りかかっていたヴァルカンの調査船トゥプラナ・ハス(宇宙船)がコクレーン博士のワープ実験船フェニックスのワープ・サインを探知したことがきっかけとなった。ヴァルカンの調査隊はアメリカ合衆国、モンタナ州ボズマンに着陸し、コクレーン博士と対面した。これは後に偉大な瞬間として地球の歴史でもっとも重要な出来事とされる。それがきっかけで地球は人種や文化、国家の枠を超えて一つの種族として統一されることとなった。更にはそれが、後の惑星連邦設立への道しるべともなった。(スタートレック:ファーストコンタクト)
しかし、実際には非公式のファースト・コンタクトはその更に前に行われていたことがヴァルカン宇宙評議会及びヴァルカン科学評議会の記録に残っている。
人類初の人工衛星である「スプートニク1号」が1957年10月4日に打ち上げられた。その調査の為にヴァルカンの調査船が地球へと派遣されたが、調査任務開始から三週間目にインパルス・マニフォルドに異常が発生し、地球上へと不時着した。そこがアメリカ合衆国ペンシルバニア州の鉱山町、カーボン・クリークであった。
墜落の衝撃で船長が死亡し、生存した三名のクルーは一週間で非常食が尽きてしまったためカーボン・クリークの町へ食料調達に出かけなければならなくなった。彼らは賭けビリヤードで資金を稼いで食料を購入したが、それも続かずその町で働き始めた。文化汚染にならないよう正体を隠したまま町の人間との交流を行った。
その後救助に来た船に収容されて彼らは無事にヴァルカンへの帰途へ着いた。一名を除いて。(ENT:スプートニクの飛んだ夜に)
その他のファースト・コンタクト
人類とクリンゴンのファースト・コンタクト
非公式には、人類とクリンゴンのファースト・コンタクトは2063年の4月4日に起こった。民間人のリリー・スローンはタイム・トラベルして来たUSSエンタープライズEに転送収容され、その先でウォーフ少佐と遭遇した。(スタートレック:ファーストコンタクト)
2151年4月、クリンゴンの小型艇がスリバン・カバルに追われて地球・オクラホマのブロウクン・ボウに不時着した。パイロットのクラングはなんとか追っ手を片付けることが出来たが、そこにいたムーアという農夫に撃たれてしまった。
地球連合宇宙艦隊はヴァルカンの反対を押し切って人類初のワープ5宇宙船エンタープライズNX-01の出航を早め、負傷したクラングをクロノスへ届けた。(ENT:夢への旅立ち)