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レプリケーター(Replicator)とは転送技術の応用、発展形であり、エネルギーを物質変換し、飲食物や機械部品などを複製する装置である。
概要[]
レプリケーターは24世紀半ばに導入された。転送移動の際の「物質→エネルギー化→再物質化」する技術を応用し、レプリケーターは「高分子化合物→エネルギー化→再物質化」を行い、さまざまな物品を作り出す。
装置内部には一種の転送装置を用い、データベースに蓄えられたさまざまな物質の分子配列情報テンプレートに従い、ユーザーの求める物質を作り出す。ただし、対象を量子レベルでスキャンする転送と異なり、レプリケーターは設計図を分子レベルで保存している。また同じ物質でもレプリケートされる度に構造を平均化してデータ量を減らしメモリの容量を節約している。(VOY:時空侵略戦争・前編、TNG:姿なき宇宙人)
そのため、合成された飲食物と本物には様々な誤差が生じる。味や栄養はほとんど本物と変わらないが、レプリケート物をふだん食べていない人には、どうしても「本物と違う」という印象を与えてしまう。レプリケート物でない飲食物は24世紀では貴重品であり、しばしば珍重される。(TNG:非情なる駆け引き、TNG: 汚名~クリンゴン戦士として~、TNG: エンタープライズの面影、DS9:消された偽造作戦、DS9: 花嫁の試練)
また、宇宙艦やステーションの廃棄物処理区画にはレプリケーターが備えられている。有害物質を無害化し、浄化された廃棄物は加工原料へと分解され再使用される。
宇宙艦隊の艦船に搭載されているレプリケーターは致死性の毒物を作る事は出来ない。(VOY:Q1、Q2)
USSエンタープライズDが2366年に遭遇した異星人誘拐犯等幾つかの異星人は知的生命体をレプリケート出来る技術を持っている。(TNG:姿なき誘拐犯)
レプリケーター技術は転送装置やフォース・フィールド等と共にホロデッキ及びホロスイートに使われている。
歴史[]
人類が初めてレプリケーターを目にしたのはエンタープライズ(NX-01)のクルーが船の修理の為に訪れた謎めいた自動修理基地であった。この基地の技術に比べれば22世紀の宇宙船に搭載されたタンパク質再配列機等は遥かに遅れた技術だった。(ENT:謎の自律浮遊基地、ENT: 死のファースト・コンタクト、ENT: 閉ざされたオアシス)
23世紀に入っても惑星連邦は完全なレプリケーターの開発には至っておらず、最新のものでも宇宙艦の搭載されたフード・シンセサイザーだったが、その後も洗練、改良され24世紀のレプリケーターの開発に繋がった。
24世紀の連邦の宇宙艦ではレプリケーターは標準的に搭載されており、様々な飲食物やその他クルーの要求したアイテムを複製する為に幅広く使われている、ソフトウェアのプログラムにアイテムを番号やオプションで記録させて選択する事も可能である。
2366年ジャン=リュック・ピカード大佐はポータブル物質レプリケーターを持ってデルタ・ラナ4号星のケヴィン・オックスブリッジの下へ転送した。(TNG:愛しき人の為に)
2367年、ギャラクシー級宇宙艦にはレプリケーション・センターと呼ばれるレプリケーターのターミナルが備えられており各所にクルーの要求したアイテムを供給している、ウォーフ大尉とデータ少佐はマイルズ・オブライエンとケイコ・イシカワの結婚式のプレゼントをレプリケートする為に利用した。(TNG:ヒューマン・アンドロイド・データ)
2368年、クタリアン・ゲームはレプリケーターで複製されUSSエンタープライズ(NCC-1701-D)中に広まった。(TNG:エイリアン・ゲーム)
連邦宇宙ステーションディープ・スペース・9のプロムナードでは壁面に組み込まれたレプリマットで飲食物を供給している。(DS9:聖なる神殿の謎、他多数)
デルタ宇宙域でのレプリケーター[]
2371年、デルタ宇宙域のUSSヴォイジャー(NCC-74656)はアルファ宇宙域へ帰還する旅の途中エネルギー危機が予測された為、キャスリン・ジェインウェイ大佐はレプリケーターを割り当て制にしてエネルギーを他の重要システムに回す様に指示を出した。レプリケーター割り当て量の権利はクルーの間で通貨代わりに利用された。(VOY:星雲生命体を救え)
レプリケーター技術はオカンパ星やケイゾンの周辺領域では知られておらず他の種族は技術を手に入れようと幾度も試みた。キャスリン・ジェインウェイ大佐はこの技術が他の文明に渡ったら悲惨な結果を招くと恐れ、艦隊の誓いを守る為にも技術を渡す事を拒否した。(VOY:裏切り者)
レプリケート不可能な物[]
レプリケーターは、金やプラチナといった貴金属をもいとも簡単に生成することができる。しかし複雑すぎる物質や特殊な分子構造を持つ物質はレプリケートできない。
これらレプリケート不可能な物質は、しばしば貨幣の代わりに使われることがある。
また毒性の強すぎる気体など、複製と同時にレプリケーター装置自身に深刻なダメージを与えてしまうような物質は、レプリケートすべきではない。
複雑すぎる物質の例[]
- 生きている生命体
- アンドロイド
- トランス・ワープ・コイル
- モバイル・ホロエミッタ
特殊な分子構造を持つ物質の例[]
エネルギー消費[]
レプリケートはいわば「贅沢な」技術であり、多大なエネルギーを消費する。
加工原料には通常、出来合いの高分子化合物を用いられるが、宇宙空間に存在するような原子、分子、エネルギーからも合成できる。しかし消費エネルギーはより大きくなってしまう。
そのため、デルタ宇宙域にただ1隻漂流したUSSヴォイジャーは、エネルギー節約のためにクルーのレプリケーター使用をかなり制限した。不足する食料品は立ち寄ったMクラス惑星で採取したり、船内で水耕栽培を行うことで補っていた。
また、レプリケートしようとする機械等が船内に十分にあるときには、エネルギー節約のための警告が出る。例えばトリコーダーを注文すると、「船内には使用されていないトリコーダーが23基あります」といった表示が出る。
関連項目[]
- フード・シンセサイザー
- 物質エネルギー変換マトリックス
- タンパク質再配列機
- 工業用レプリケーター
- クラス4工業用レプリケーター