ロミュラン星間帝国(Romulan Star Empire)[1]通称ロミュラン帝国は、ベータ宇宙域における主要な大国の一つである。惑星ロミュラスとレムスがあるロミュラン星系を中心とし、支配民族はロミュランである。ロミュラン帝国は極端な秘密主義国家であり、閉鎖的かつ排他主義的国家であるため、貿易に関しても主に領域内部で行っている。
ロミュランの歴史[]
- 参照:ロミュランの歴史
ロミュランの領域[]
- 参照:ロミュラン帝国の支配惑星
- 参照:ロミュラン中立地帯内の星系
支配下の民族[]
政治[]
他の勢力から見て、ロミュラン帝国の政策は常に一貫している。帝国の目的は徹底した自国防衛と、敵対勢力への政治的・外交的工作によって自らの手を汚さずに弱体化をもたらすことであった。ロミュランは自国の利益のために、自らの血を流さずにライバル国間に緊張を生み出し互いに争わせることで漁夫の利を得ることを基本的な方針としている。そのため、ロミュランにとって全面戦争に訴えるのは最終手段であった。
- ライバル勢力への政治工作 2150年代にはヴァルカン最高司令部長官ヴラスに接触し、ヴァルカンとアンドリアの戦争勃発を目論み暗躍した。また、2293年にはキトマー会議に参加し、連邦とクリンゴンの和平を阻止するために政治工作を行った。2340年代にはクリンゴンのデュラス家と内通していたことが発覚している。また、24世紀には、宇宙艦隊士官のクローンを作りだし、宇宙艦隊内部へスパイとして送り込む計画があったが、中止された。(ENT: バルカンの夜明け、スタートレック6:未知の世界、TNG: 汚名~クリンゴン戦士として~、裏切りの序曲、スタートレック:ネメシス)
- 限られた突然のもしくは密かな武力行使 2154年、隣接する強国間にバベル危機を勃発させるための工作の為に使用された無人艦は、別の勢力の艦になり済まし軍事的緊張を発生させた。2266年にはバード・オブ・プレイが中立地帯を侵犯し連邦の前哨基地を攻撃した。また、2344年にはナレンドラ3号星のクリンゴン前哨基地に対して攻撃を行った。(ENT: バベル1号星、ロミュランの陰謀、TOS: 宇宙基地SOS、TNG: 亡霊戦艦エンタープライズ“C”)
ロミュラン帝国は必要に迫られない限り、地球・ロミュラン戦争や2311年のトメド事件の様な全面戦争に訴えることは殆どなかった。2267年の連邦・クリンゴン戦争でのクリンゴンの様に、版図拡大のために隣国に対して戦争を仕掛ける様な政策を執ることもなかった。また、帝国は中立地帯に沿った宙域のMクラス惑星の開発を行うこともなかった。トメド事件以降数十年間に渡り、帝国は連邦との一切の接触を断ち鎖国政策を執った。しかし、ドミニオン戦争の様に自国に危機が迫ると利害の一致する他国と同盟を結び戦争に参加した。(TOS: 宇宙基地SOS、クリンゴン帝国の侵略、新種クアドトリティケール、TNG: 突然の訪問者、DS9: 消された偽造作戦)
ロミュラン帝国は宇宙艦隊の指揮官の中でも著名なジャン=リュック・ピカード大佐と入れ替える目的で彼のクローンを作りだしたが、政権交代に伴い計画は凍結されレムスへ追放された。しかし、2379年にクローンであるシンゾンがロミュランに対してクーデターを実行し宇宙域征服に乗り出したが、連邦はロミュラン軍と共にシンゾン計画を阻止することに成功した。この事件をきっかけに、ロミュランと連邦は2世紀以上に渡る敵対的関係が改善される兆しが見え始めた。(スタートレック:ネメシス)
政府[]
ロミュラン帝国は帝国でありながら実際には皇帝は存在せず(称号のみ存在)地球で言う共和制ローマ帝国の様な政治体系を取っている。最高機関であるロミュラン上院議会とそれを束ねる政務長官が帝国の最高権力である。また、ロミュラン永続委員会は政務長官が議長を務める上院議会とは別の強力な政治団体である。2373年にQはロミュランの女帝を配偶者候補として挙げたことがあった。(DS9: 闇からの指令、VOY: レディQ、スタートレック:ネメシス)
ロミュラン上院議会による政治の実態は寡頭政治である。少数の有力な議員たちによる権威主義体制であり、それら議員たちは自身の利益のために政治を利用している。ロミュラン政府内では上院の他、タル・シアーも強大な権力を有しており、事実上の独裁体制であった。ロミュランの政治構造は民間人にはほんの僅かしか知られていない。
ロミュラン帝国の政治構造の多くは未知であったが、中央政府によりすべての権力は一元化されていると考えられている。
ロミュラン上院議会は時折大使を派遣した。ニンバス3号星へ派遣されたケイスリン・ダールや、連邦へ派遣されていたナンクラス等である。(スタートレック5:新たなる未知へ、スタートレック6:未知の世界)
軍事[]
- 詳細はロミュラン軍を参照
ロミュラン軍はアルファ及びベータ宇宙域においても最も強力な軍隊の一つである。2150年代の地球・ロミュラン戦争で地球軍に敗れるが、ロミュラン帝国は依然として存在し続けていた。また、宇宙艦隊に対する挑発及び戦力分析のためにロミュラン中立地帯への侵犯も度々行われた。2374年にはロミュラン軍が連邦連合軍へ参加する事によって、ドミニオン戦争の形勢が一変する程の強大な軍事力を有していた。(TOS: 宇宙基地SOS、DS9: 消された偽造作戦)
ロミュランの軍事作戦は、戦争計画評議会と呼ばれるハイレベルな政府機関によって計画され実行されている。(DS9: 消された偽造作戦)
また、ロミュランの正規軍以外にタル・シアーも独自の艦隊を所有しており、帝国内で正規軍と対を成す非常に強力な組織であった。(DS9: 姿なき連合艦隊・前編)
参照項目[]
科学技術[]
ロミュラン科学省はロミュラン帝国の科学的研究を監督している機関である。ロミュラン天文アカデミーは科学省傘下の一機関であった。(DS9: 嵐の予兆、VOY: ワームホールの崩壊)
2268年のロミュラン・クリンゴン同盟の際にロミュランはクリンゴンのD7級巡洋戦艦と遮蔽技術を交換した。(TOS: 透明宇宙船)
参照項目[]
関連項目[]
- ロミュラン語
付録[]
注釈[]
背景[]
『ENT: 許されざる越境』でホシ・サトウ少尉がロミュランからのメッセージを聞いたとき、彼女は帝国の名前を「ロマリン星間帝国(Romalin Star Empire)」(日本語版では「ロマリン帝国」)と訳した。しかしトゥポルがそれはロミュランと発音するのだと訂正した。
日本語訳[]
日本語資料の多くでは「Star」を省略しない名称を「ロミュラン星間帝国」と訳している。吹き替え版ではもっぱら「ロミュラン帝国」とされている。
外部リンク[]
- ロミュラン星間帝国:非正史スタートレックWiki Memory Beta英語版