救難信号(Distress call)とは、他者に対して援助を要請する信号である。救難信号は自身で対処できない問題が発生した個人やグループが発信し、援助を要請することを目的としている。
広く知られている救難信号の一つは、20世紀初頭に発展した放送シグナリング技術によるSOS信号である。SOS信号は国際条約によって批准された世界共通の救難信号とされた。1912年、地球の水上船であるRMSタイタニックは氷山と衝突し沈没の危機に陥った際にSOS信号を発信したことで知られている。タイタニックの無線士はSOSが導入されたばかりの規格であったため、様々なタイプの救難信号を発信した。
21世紀後半から就航していたY-500級貨物船の脱出ポッドには救難信号を発信するビーコンが搭載されていたが、63年間も救難信号を発し続けるようには出来ていなかったとされている。(ENT: 風が呼んだエイリアン)
23世紀、24世紀になると、救難信号は宇宙船、宇宙基地、コロニーから亜空間通信で発信されるようになった。
2254年、USSエンタープライズは古いスタイルの電波による救難信号を受け取った。(TOS: 歪んだ楽園)
2266年、USSエンタープライズは地球から何百光年も離れた場所で、地球のSOS信号を受信した。この発信源は、地球の完全なコピーの惑星(アース2)上から発信される電波であった。(TOS: 400才の少女)
敵対する勢力同士だと、相手の救難信号に対して応答しないケースもある。しかし、中には中立地帯を超えて救難信号に応える連邦艦もいた。だが、中には偽の救難信号で敵をおびき寄せ奇襲を仕掛けるケースもあるため、救難信号に応じる場合には慎重さを求められた。(TNG: 宿敵! ロミュラン帝国、宇宙孤児ジョノ)
2368年、USSエンタープライズDがマブー6号星付近で200年以上前に当該セクターで行方不明となったダイダロス級宇宙艦USSエセックスからの救難信号を受信した。宇宙艦隊の亜空間救難信号は発信する宇宙艦のクラスをある程度特定できる信号を使用している。(TNG: 亡霊反逆者)
連邦惑星救難信号は、連邦加盟惑星が差し迫った脅威に晒された場合のみに発信される緊急信号である。連邦評議会の長は連邦加盟惑星全体に対して緊急事態を宣言する。
実際に惑星救難信号が発報された記録は2286年のクジラ探査機事件であった。謎の探査機が太陽系を訪れ、探査機の発する強力な伝送波が地球上のすべてのパワー・システムを無力化し、大気をイオン化し始め大気圧が下がり、地球全土は異常気象に襲われた。同時に、地球軌道上の宇宙ステーションや連邦艦を含むすべての施設が無力化される事態に陥った。この事態に陥った2時間後、連邦評議会の長たる連邦大統領は非常事態を宣言した。
事件発生から6時間御、連邦大統領は惑星救難信号を全連邦世界に対して発信し、以下のメッセージを送った。
- 「This is the President of the United Federation of Planets. Do not approach Earth. The transmissions of an orbiting probe are causing critical damage to this planet. It has almost totally ionized our atmosphere. All power sources have failed. All Earth-orbiting starships are powerless. The probe is vaporizing our oceans. We cannot survive unless a way can be found to respond to the probe. Further communications may not be possible. Save your energy. Save yourselves. Avoid the planet Earth at all costs. Farewell...」
The crisis was relieved by a group of Starfleet officers who were returning from Vulcan. One of the officers analyzed the transmissions of the probe and determined the transmissions were directed to an extinct species of humpback whales. The officers managed to retrieve a pair of the whales and delivered them to Earth. The probe shut down its transmissions and left the system. (スタートレック4:故郷への長い道)
Another example of a planetary distress call is that which was transmitted by the Scalosians to attract starships to their planet so they could use the crew of the ship to repopulate their planet. The following is a transcript of part of the message:
- "To any and all space travelers passing within range of the planet Scalos, I send you an urgent appeal for help. My comrades and I are the last surviving member of what was once a thriving civilization. Those of us who are left have taken shelter in this area. We have no explanation for what has been happening to us. Our number is now five, we were once a nation of 900,000, This city alone holding a population of 113,477, our planet Scalos on which several enlightened cultures indigenous populations." (TOS: 惑星スカロスの高速人間)
2368年、USSエンタープライズDはデュリシアン4号星にある連邦のコロニーから環境サポートシステムの大規模な故障を理由とした非難を要請する第1級救難信号を受信した。しかしこれはロミュランによる偽りの信号であり、エンタープライズDをヴァルカン船から遠ざけるのが目的だった。(TNG: 潜入!ロミュラン帝国・後編~ミスター・スポックとの再会~)
2369年、USSエンタープライズDは長距離センサーでロミュラン・ウォーバードからの救難信号を捉えた。ウォーフはこれを医療室で治療を受けるライカー中佐に伝えた。(TNG: 時空歪曲地帯)
同年、キラ・ネリス少佐とドクター・ジュリアン・ベシアはコブリアド輸送船レヤブのタイ・カジャダが発した広帯域の第一級救難信号を受けた。(DS9: 宇宙囚人"バンティカ")
2371年、ガソレル・レイビンは救難信号を送信しUSSヴォイジャーがこれに応えて赴いたところ、レイビンがヴォイジャーのクルーの方が困っていると考えて救難信号を出したことが分かった。(VOY: 転送・4万光年)
2372年、キャシディ・イエイツ船長はSSゾザがクリンゴン・バード・オブ・プレイに攻撃された時ディープ・スペース・9へ第一級救難信号を送った。メッセージは中断されたがベンジャミン・シスコ大佐はUSSディファイアントをSSゾザ救出に向かわせた。(DS9: クリンゴンの暴挙)
関連項目[]
- 救難ビーコン