断熱被膜塗装もしくはアブレーティブ装甲(Ablative armor/Ablative hull armor)とは、宇宙艦の防御力を高める目的で船体外部隔壁表面に施される装甲である。
宇宙艦隊では2371年に使用が開始された。(DS9:2024年暴動の夜・前編)
概要[]
この装甲はフェイザーやディスラプターなどの武器砲火による衝撃を装甲表面で蒸発させ弾くことが可能である。この装甲処理は通常宇宙艦の外部隔壁に用いられるデュラニウム合金やトリタニウム合金、テトラバーニウム合金をはるかに頑強なものとし、ディフレクター・シールドと併用して絶大な効果を発揮する。
宇宙艦隊において最初にこの装甲が搭載された宇宙艦は、2366年から開発の始まったディファイアント級宇宙艦であり、1番艦であるUSSディファイアント(NX-74205)に施工された。ただし同艦は2371年のディープ・スペース・9配属までドックに格納されており、実際に使用されたのはこの年からである。(DS9:地球戒厳令・後編、DS9: クリンゴンの暴挙、DS9: 変節の時)
この装甲を装備したUSSディファイアントは、クリンゴン艦のディスラプターの直撃に耐えた実績を残しており、2370年代のドミニオン戦争を中心とした各戦闘では、カーデシア軍やドミニオン軍の激しい攻撃にも耐えている。また、レイトン中将によるクーデター計画の際にはUSSラコタとの戦闘でラコタのフェイザー攻撃にも耐えるなど、USSディファイアントは断熱被膜塗装の絶大な効果を証明した。(DS9:地球戒厳令・後編)
2374年には、長距離戦術任務に対応するプロメテウス級宇宙艦にも断熱皮膜塗装技術が採用された。(VOY:プロメテウスの灯を求めて) また、最新鋭のソヴェリン級宇宙艦にも採用されている。(スタートレック:ファーストコンタクト)
しかしこの装甲の上で遮蔽装置を使用すると、装甲表面にはクロニトン分子が残留し、太陽から稀に発生するエネルギー放出の影響でクロニトン分子が分極化し転送ビームが時空を超えてしまう場合があるという問題点が報告されている。(DS9:2024年暴動の夜・前編)
宇宙艦隊以外での運用[]
断熱皮膜塗装はボーグ集合体の遠距離戦術艦でも採用されているが、宇宙艦隊のものよりも遥かに強力なものとなっている。(VOY:新生ボーグの悲劇)
またヒロージェンがホログラム技術を用いて設計したトレーニング施設は、ホロエミッターを保護するために三層の断熱皮膜塗装装甲を使用した。(VOY:裏切られたホログラム革命・前編)