2374年、DS9奪還作戦の計画を表示するLCARS端末 | |
2375年、LCARS端末にアクセスするウィリアム・T・ライカー中佐 | |
2379年、USSエンタープライズEのブリッジのLCARS端末 | |
2287年、USSエンタープライズA医療室のLCARS型ディスプレー |
LCARS(エルカース)とは、"Library Computer Access and Retrieval System"(ライブラリ・コンピュータへの接続・検索システム)の略であり、宇宙艦隊において採用されているコンピュータのオペレーティング・システムである。
概要[]
24世紀後半の宇宙艦隊におけるコンピュータは、従来のデュオトロニック・コンピュータよりはるかに進化した、アイソリニア・オプティカル・チップを使用したコンピュータになっている。これはコンピュータ・コアに亜空間発生装置を組み込み、超光速演算をするというものである。この膨大かつ強力なデータベースを扱うのに、23世紀末から使われてきた旧OSでは明らかに力不足であり、宇宙艦隊は新しいOSであるLCARSを開発した。
また、LCARSにはいくつかのバージョンがあり、艦によって多少能力に差がある。USSヴォイジャーのLCARSのスペックは、4700万のデータチャンネルに同時にアクセス可能であり、1ナノ秒につき575兆の画像変換処理能力がある。
LCARSはあくまでも宇宙艦隊が採用しているOSであり、民間の施設などでは使用されていないことも多い。
機能[]
LCARSソフトウェア[]
艦内各所のコンソール・パネルは、ODN(オプティカル・データ・ネットワーク)とLCARSソフトウェアによりメイン・コンピュータと接続している。また、LCARSソフトウェアは、音声命令認識、パネル入力認識、視覚表示、人工知能、各種機器操作、データ転送、PADDやトリコーダーとの接続など、ユーザーに絶望的なほど膨大な宇宙艦コンピュータを快適に使用させるための各種機能が備えられている。
会話認識機能[]
LCARSは「会話認識機能」を持ち、声で命令するだけであらゆるアプリケーション管理やデータ検索をユーザーに提供する。同システムは23世紀にもすでに存在したが、より人工知能が進化し、本物の人間並みに複雑な会話・命令を認識する。
コンソール・パネルの更新[]
LCARSはコンソール・パネルを使っているユーザーのために、「現在最も起こりうる操作」を予測して常にコンソール・レイアウトを更新し続ける。また個々のユーザーが自由にレイアウトをカスタムすることも可能であり、コンソール・パネルが常に同じ形をしていることはない。そのため、コンソールを使い終わった後は、後任ユーザーのために標準レイアウトに戻しておくのが礼儀である。(DS9:ディファイアントの危機)
なおLCARSコンソールのデザイン、特に配色は宇宙艦により異なっている。USSエンタープライズDやUSSヴォイジャーは黄色と紫と青を基調とした明るいパステル系だが、USSディファイアントは黄色より青と紫が多い。USSエンタープライズEも当初は黄色系だったが、改装後はオーシャンブルー系一色となった。[1]
また別の時間軸の25世紀では、LCARSは飛躍的に進歩し、従来の2次元コントロールインターフェースから3次元コントロール・インターフェースにグレードアップしている。
触覚接続[]
LCARSはたとえユーザーが視力が使えない状態であっても、神経インターフェースを用いて、パネル操作を難なくさせることができる。
ライブラリ・コンピュータ[]
- USSディファイアント(NCC-1764) ライブラリ・コンピュータ
- USSディファイアント(NX-74205) ライブラリ・コンピュータ
- USSエンタープライズ(NCC-1701)ライブラリ・コンピュータ
- USSエンタープライズ(NCC-1701-D)ライブラリ・コンピュータ
- USSヴォイジャー(NCC-74656)ライブラリ・コンピュータ
関連項目[]
背景[]
オクダグラム[]
主にTNG以降に見受けられるようになった、スタートレック独特のコンソール・パネルは、俗に「オクダグラム」と呼ばれている。オクダグラムは宇宙艦隊のLCARSだけでなく、クリンゴン、ロミュラン、カーデシアなど全種族のパネルに対して使われる。オクダグラムの名の由来は、考案者の美術デザイナー、マイケル・オクダへの敬愛を込めて、スタッフやファンらが付けたものである。
TOSでのコンソールは、すべて「宝石のような」スイッチであり、制作に予算と手間がかかる上、あまり未来的なデザインとは言いがたかった。しかしマイケル・オクダのデザインした、このバックライト式のプレキシガラスパネルは、非常に格好よく滑らかで未来的に見える上に、デザインに柔軟性があり、また低予算で制作できる点で非常に優れていた。
TNG第3シーズン以降やDS9、VOYでは、セットに組み込んだブラウン管モニターで実際にアニメーションするLCARS画面も登場し、より臨場感のある本物のブリッジに近くなる。またVOYのデルタ・フライヤーやENTのエンタープライズ(NX-01)では液晶ディスプレイが使われるようになった。
注釈[]
- ↑ LCARSコンソールの配色の違いは、画面・演出効果の目的の違いによるためである。USSエンタープライズDやUSSヴォイジャーの明るい黄色のパステル系配色は、ジーン・ロッデンベリーの「楽天的な」明るい未来像と、使いやすく親しみやすい宇宙艦を演出するためである。USSディファイアントの青と紫の多い配色は、潜水艦と戦艦のイメージのためである。
劇場版に登場したエンタープライズDとエンタープライズEは、黄色系であるものの彩度を落とし、不気味さと落ち着いたイメージを演出している。これはテレビシリーズとは違う、ストーリーの重さに準じた演出である。「ネメシス」ではLCARSコンソールは彩度の高い青一色となったが、これは監督の新しい視点と演出(彼はそれまでスタートレック関連でメガホンをとったことはない)のためと、マイナーチェンジしたエンタープライズE(フェイザー・アレイや魚雷ランチャーの追加)の改装の理由付けのためである。