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 USSライチェス(U.S.S.Righteous NCC-42451)は[[惑星連邦]][[宇宙艦隊]]所属の[[エクセルシオ級]]宇宙艦。
 
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| タイトル = Star Trek: Borg
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 '''Star Trek: Borg'''は、[[Q]]に遭遇した[[宇宙艦隊]][[士官候補生]]を主人公としたテレビゲームであり、[[ウォルフ359の戦い]]を主軸としたストーリーを描いている。尚、同ゲームは日本語タイトルも発売されている。
   
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==概要==
[[カーデシア戦争]]を生き抜いた名艦であり、艦長は[[ニコライ・アンドロポフ]][[大佐]]。
 
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==ストーリー==
 [[ウォルフ359の戦い]]において、USSライチェスは[[惑星連邦]][[宇宙艦隊]]所属40隻の内の1隻として、[[USSトルストイ]][[USSキュウシュウ]][[USSサラトガ(NCC-31911)]][[USSメルボルン]]などと共に第3防衛ラインに配置されて戦闘に参加したが、宇宙暦44002.3、午前8時。[[ボーグ・キューブ]]の攻撃を受けて“消滅”した。
 
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===序章===
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 2377年、[[USSカナル]]はボーグ船と遭遇し、ダメージを受けた。カナルは救難信号でボーグが[[セクター001]]へ向かっていることを告げた後、通信を途絶する。
   
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 [[惑星連邦]][[宇宙艦隊]]所属、[[ギャラクシー級]]宇宙艦の[[USSシャイアン(ギャラクシー級)|USSシャイアン]]はセクター001への招集命令を受け、ボーグの戦いに備えていた。士官候補生として乗り組んでいた[[ケイラン・ファーロン]]は艦に残ってボーグと戦いたいと望んでいた。彼は10年前の[[ウォルフ359の戦い]]において、父親である[[ラルフ・ファーロン]][[大尉]]をボーグの攻撃で喪っていたからだ。しかし、彼の要望は[[艦長]]によって却下され、[[マーナス3号星]]への避難を余儀なくされた。
なお、[[Star Trek: Borg]]では主人公の父親[[ラルフ・ファーロン]][[大尉]]がこの艦の[[主任]][[操舵主]]であり、父親だけでなくUSSライチェスを救う目的でストーリーを進めていくことになる。
 
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 失意の念を抱きながら荷物の整理をしていた時、ケイランの前に現れたのは、全知全能の存在とされる[[Q]]だった。Qはケイランに「父親を救うチャンスをやろう」と言い、彼を10年前のウォルフ359、[[USSライチェス]]に連れてくる。ケイランの父ラルフはUSSライチェスの[[主任操舵主]]だった。
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 宇宙暦44002.3([[2367年]])、午前7時58分。ボーグ・キューブは第1防衛ライン、第2防衛ラインを突破し、ライチェスが配置された第3防衛ラインに迫ってきた。
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 午前8時、ライチェスのブリッジに[[ボーグ・ドローン]]が侵入した。この戦いの4時間前に、[[保安部長]]の[[コリス・スプリント]][[大尉]]はボーグに殺されていたため、戦術コンソールにいたのは新人の保安士官だった。だが、その新人もなすすべもなく殺され、ボーグ・ドローンによって無防備同然にされたライチェスは破壊されてしまった。その光景を見せたQは「もしもスプリントが生きていたらこうはならなかったかもしれないな」と言い、ウォルフ359の戦いより数時間前のライチェスにケイランを連れてきた。
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===第1部===
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 午前4時、ライチェスはボーグ艦から距離をとって追跡を行なっていた。その時に1体のボーグ・ドローンがライチェスのブリッジに侵入した。本来ならばここでスプリント大尉は殺されていたのだが、ケイランはQの力によってスプリントに成り替わり、ボーグ・ドローンを撃退した。一方でQは[[ドクター]]・[[テディアス・クイント]][[中佐]]に成り替わって、ケイランの動向を観察することにした。
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 ボーグ・ドローンを撃退したスプリント(ケイラン)は、ボーグに対するセキュリティ強化を[[ニコライ・アンドロポフ]]艦長に命じられ、戦略コンソールのセッティングを行なった。その後、アンドロポフからの呼び出しを受け、スプリントは[[コンピューター・コア]]ルームへとやってきた。そこで待っていたファーロンとアンドロポフはセキュリティシステムのセッティングがうまくいかないことをスプリントに告げた上で、ファーロンがコンソールのパネルを開けてみせると、ボーグが設置したと思われる未知のデバイスが貼り付けられており、これがコンピューターへのアクセスをブロックしていた。
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 スプリントはボーグデバイスの処置に関してアンドロポフから意見を尋ねられるが、触らないほうが得策と判断し、アンドロポフも同意する。そこでファーロンはブリッジにボーグ・ドローンが侵入した時の状況を考え、アンドロポフは船内にボーグが2人侵入したと仮説を立て、[[オプス士官]]の[[アナスタシア・ターガス]][[少尉]]にライチェス艦内の徹底的なスキャンを行うように命令した。
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===第2部===
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 ターガスのスキャンによって第6[[ジェフリーズ・チューブ]]に反応が確認され、ファーロンとスプリントはボーグの捜索のために向かう。案の定、2人はボーグと遭遇することになるが、スプリントの機転で危機を脱し、[[ボーグ・インプラント]]を手に入れ、情報を引き出すことにした。
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 しかし、[[トリコーダー]]では大した情報を得ることができず、ファーロンは船のコンピューターにボーグ・インプラントをつなぐことを提案したが、艦長は危険が大きすぎるとして却下した。その時、スプリントの目に留まったのはターガスの頭につけている[[医療用インプラント]]であり、ボーグ・インプラントとリンクして情報を得ることができると考えたのである。ターガスは過去に[[カーデシア]]の[[神経性刺激拷問]]を受けたため、この医療用インプラントをつけていた。
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 だが、ボーグ・インプラントをそれに接続するということは、その時と同じような辛い刺激を受ける可能性があったため、[[カウンセラー]]の[[ベニングトン・ビラカ]][[少佐]]は反対する。
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 それでもターガスはボーグ・インプラントを接続して情報を得ることに同意し、クイントはターガスの首から下の運動神経を一時的に奪った上で、その作業を行なった。ターガスの情報のお陰で、ライチェスはボーグ船と同じ信号を出すことで、攻撃を未然に防ぐことができた。もしも、ターガスの得た情報がなければライチェスは撃沈されていただろう。
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 ところが、ターガスからボーグ・インプラントを外す作業に難点が生じた。ファーロンがそれを外そうとして手を怪我した。スプリントは同じようにボーグ・インプラントに触れようとするが、クイントが止める。しかし、スプリントは[[ビジャーニ]]人であり、[[ビジャーニ・ペイン・トランス]]と呼ばれる、苦痛に対する一種の免疫反応を利用し、意識を失いながらも体だけは動き、ターガスからボーグ・インプラントを分離することに成功し、倒れた。
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===第3部===
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 意識を回復したスプリントは、アンドロポフとファーロンから、未だにセキュリティーシステムへのアクセスをボーグ・デバイスがブロックしたままであることを告げられた。そこでボーグ・デバイスを取り除く方法を探るため、[[ボーグ・キューブ]]への偵察の話を聞かされる。あまりに危険な任務であるため、アンドロポフは命令を躊躇う。これに対してクイントが志願するも、ターガスがそれを一蹴した。ターガスとファーロンに加わて結局スプリントが任務に志願し、クイントは彼らへ[[ハイポスプレー]]入りの[[医療キット]]を手渡した。そして、3人はボーグ・キューブ内へ転送された。
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 ボーグ・キューブに転送されて早々、3人は二体のボーグと遭遇する。(その内の片方は、Qが扮するボーグだったが、)ボーグの習性のためか、ボーグ・ドローンたちは3人を素通りしていった。そして、調査を開始した3人は、そこで、[[惑星連邦]]の船にあるようなインターフェースコンソールを発見する。スプリントはボーグを刺激しないように、慎重にコンソールを操作した。
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 ボーグデバイスの活動を封じる方法を3人が模索する中、ファーロンは、以前に情報を取り出した時のようにボーグ・インプラントを使用することを思いついた。だが、死んだドローンから入手した回路ではボーグ・デバイスの活動を止めさせることができないと考えたスプリントは、生きているボーグでなければボーグ・デバイスの活動を止められない、と判断した。
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 そこで、ファーロンとスプリントは、医療キットのことを思い出し、ハイポスプレーの設定を変えて、ボーグを麻痺させて連れ帰ることを考え付く。
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 しかし、スプリントはあえてハイポスプレーを「ビジャーニ人用アドレナリン治療」に設定し、ボーグの目の前で、自分に注射した。これによって人為的にビジャーニ・ペイントランスが引き起こされた。
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 スプリントは、ボーグに同化された。だが、ビジャーニ・ペイントランスによって自意識を保ったままボーグとなった。そのため、スプリントはファーロンとターガスを救出し、共にライチェスへと帰還。スプリントはボーグ・デバイスにアクセスし、活動を停止させ、艦のシステムが完全に復旧した。
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 そして、彼らの元に訪れたビラカが宇宙艦隊がボーグ船と戦闘を始めたことを報告した。それは[[ウォルフ359の戦い]]が始まったことを意味していた。
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===第4部===
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 ボーグによる攻撃が迫る中、ライチェスを含む第3防衛ラインの艦船は[[J・P・ハンソン]][[提督]]の命令により待機を命じられた。ターガスはその命令に不服をこぼし、クイントとファーロンは連邦が劣勢であるという見解を示した。そんな中で、ファーロンはあることを思い出した。それは、息子ケイランのこと。ファーロンは息子の将来に関して心配していた。果たして、息子は将来どうなるのか。その成長を見守れないかもしれない、と考えていた。
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 スプリントとターガスはその話を聞いて微笑ましく思ったのだが、そこでクイントが茶々を入れた。そのクイントの行動を分析してビラカが意見を述べると、クイントは癇癪を起して叫び声を上げる。
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 だが、クイントが落ち着いた直後、ハンセンより暗号通信が届く。第1、第2防衛ラインが全滅し、第3防衛ラインの艦船に攻撃命令が下ったのである。
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 宇宙暦44002.3(2367年)、午前7時58分。ボーグ・キューブは第1防衛ライン、第2防衛ラインを突破し、ライチェスが配置された第3防衛ラインに迫ってきた。直後、[[USSトルストイ]]がダメージを受けて後退し、[[USSキュウシュウ]]が攻撃に参加、[[USSサラトガ(NCC-31911)|USSサラトガ]]と[[USSメルボルン]]がパワーダウンを起こしたことが、ファーロンの口から告げられた。この光景は、ケイランとQが最初にこの船に訪れた時に見たのとそのままの状況だった。
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 そして、ライチェスを破壊するためにボーグ・ドローンがブリッジに転送されてきた。アンドロポフはボーグのアクセスしたパネルをバイパスして切り離すようにスプリントに命じるが、スプリントは、あえてボーグに接近し、アクセスを試みた。
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 スプリントは、ボーグ船にライチェスが破壊された、という偽のシグナルを送り、ボーグ・ドローンを機能停止させた。
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 ボーグ船はライチェスを無視し、セクター001へと向かう。すると、ここでクイントに成り代わっていたQが本来の姿を現した。そして、スプリントに成り代わっていたケイランを元の姿に戻した。
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===エピローグ===
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 Qの説明によって、クルーたちは、本来は自分たちがウォルフ359の戦いで死んでいるはずだったことを理解し、このままではケイランの過去や歴史が変わってしまうことを恐れた。Q自身もケイランがライチェスを救ってしまうとは考えていなかったため、後処理に困ってしまう。しかし、それも一瞬のことで、Qは何かを思いついたかのように、指を鳴らした。
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  +
 クルーたちが次に目覚めると、そこは10年後のウォルフ359だった。これによって、ライチェスとそのクルーたちは、歴史に影響することなく生き延びることができた。クルーたちはケイランに感謝した。Qとすり替えられて事情を知らない状態のドクター・クイントを除いて。
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 直後、ファーロンはボーグ船をセンサーに捉えたことを報告した。
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 アンドロポフは、ボーグ船の追跡を命じ、ファーロンは士官候補生となった息子と握手を交わし、ターガスはコースを設定する。
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 そして、ライチェスは宇宙空間を彼方へと飛び去っていく。
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==ルートの分岐==
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==USSライチェス==
 
 '''USSライチェス'''(USS Righteous NCC-42451)は惑星連邦宇宙艦隊が[[24世紀]]中頃に保有していた[[エクセルシオ級]]の[[宇宙艦]]
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 USSライチェスは[[カーデシア戦争]]を生き抜いた名艦であり、艦長はニコライ・アンドロポフ[[大佐]]。
  +
 
 2367年初頭に発生したウォルフ359の戦いにおいて、J・P・ハンソン[[中将]]指揮下のボーグ迎撃艦隊の隻として召集され、USSトルストイ、USSキュウシュウ、USSサラトガ、USSメルボルンなどと共に第3防衛ラインに配置された。<br/>
  +
 しかし、宇宙艦隊が派遣した40隻の内、39隻がボーグ・キューブの圧倒的な戦力の前に破壊され、ライチェスもまた、宇宙暦44002.5、午前8時。ボーグ・キューブの攻撃を受けて“消滅”した。
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  +
==公式との矛盾点==
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 ゲームのシナリオ内ではいくつか公式の設定と矛盾する点が存在する。
  +
*ウォルフ359の戦いは[[2366年]]、または2367年に起きた出来事であるが、何故かUSSライチェスのクルーが着ている制服は[[TNG]]で用いられているものではなく、[[DS9]]や[[VOY]]で用いられていたものになっている。対照的に、冒頭に登場するUSSシャイアンのクルーたちは[[TNG]]で用いられていた制服を着ている。
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*冒頭で「連邦は'''二度'''ボーグとの戦いに勝っている」というセリフから、同時期に製作されていた映画[[スタートレック:ファーストコンタクト]]の設定が活かされている。しかし、その一方で「ウォルフ359の戦いから10年後」という説明がされている。換算するとケイランが本来いる年代は[[2376年]]、または[[2377年]]であり、その年にボーグによる「第三次太陽系侵攻」が発生したことになるが、公式ではそういった描写や説明が全く存在しない(なお、2377年末には[[USSヴォイジャー]]が[[ボーグ・スフィア]]と共に地球の手前まで到達しているため、これを「第三次太陽系侵攻」と見做した可能性はある({{VOY|道は星雲の彼方へ}})。ただし、このゲームが制作された際には[[スタートレック:ヴォイジャー]]は完結していなかったため、その可能性は低い)。
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*日本語版での音声を聞いてみると、機械類の効果音(パネル操作、フェイザーの出力調整、ボーグの歩行音など)がテレビシリーズで用いられているものと異なる。(英語版は通常通りである)
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[[en:Star Trek: Borg]]
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[[Category:TVゲーム]]

2021年5月29日 (土) 01:23時点における最新版

現実世界
(制作視点での記事)
Star Trek: Borg
Star Trek Borg cover

Star Trek: Borg

}
出版社: Simon and Schuster
開発者: Simon and Schuster
リリース: 1996年
宇宙暦: 不明 (2366年、2377年)
リファレンス: ASIN B00001SVE2

 Star Trek: Borgは、に遭遇した宇宙艦隊士官候補生を主人公としたテレビゲームであり、ウォルフ359の戦いを主軸としたストーリーを描いている。尚、同ゲームは日本語タイトルも発売されている。

概要[]

Jean-Luc Picard, 2364 この記事は書きかけだ。是非とも、この記事に加筆してみて欲しい。記事を書く際は、画面上部の「編集」をクリックするように。


ストーリー[]

序章[]

 2377年、USSカナルはボーグ船と遭遇し、ダメージを受けた。カナルは救難信号でボーグがセクター001へ向かっていることを告げた後、通信を途絶する。

 惑星連邦宇宙艦隊所属、ギャラクシー級宇宙艦のUSSシャイアンはセクター001への招集命令を受け、ボーグの戦いに備えていた。士官候補生として乗り組んでいたケイラン・ファーロンは艦に残ってボーグと戦いたいと望んでいた。彼は10年前のウォルフ359の戦いにおいて、父親であるラルフ・ファーロン大尉をボーグの攻撃で喪っていたからだ。しかし、彼の要望は艦長によって却下され、マーナス3号星への避難を余儀なくされた。

 失意の念を抱きながら荷物の整理をしていた時、ケイランの前に現れたのは、全知全能の存在とされるだった。Qはケイランに「父親を救うチャンスをやろう」と言い、彼を10年前のウォルフ359、USSライチェスに連れてくる。ケイランの父ラルフはUSSライチェスの主任操舵主だった。

 宇宙暦44002.3(2367年)、午前7時58分。ボーグ・キューブは第1防衛ライン、第2防衛ラインを突破し、ライチェスが配置された第3防衛ラインに迫ってきた。

 午前8時、ライチェスのブリッジにボーグ・ドローンが侵入した。この戦いの4時間前に、保安部長コリス・スプリント大尉はボーグに殺されていたため、戦術コンソールにいたのは新人の保安士官だった。だが、その新人もなすすべもなく殺され、ボーグ・ドローンによって無防備同然にされたライチェスは破壊されてしまった。その光景を見せたQは「もしもスプリントが生きていたらこうはならなかったかもしれないな」と言い、ウォルフ359の戦いより数時間前のライチェスにケイランを連れてきた。

第1部[]

 午前4時、ライチェスはボーグ艦から距離をとって追跡を行なっていた。その時に1体のボーグ・ドローンがライチェスのブリッジに侵入した。本来ならばここでスプリント大尉は殺されていたのだが、ケイランはQの力によってスプリントに成り替わり、ボーグ・ドローンを撃退した。一方でQはドクターテディアス・クイント中佐に成り替わって、ケイランの動向を観察することにした。

 ボーグ・ドローンを撃退したスプリント(ケイラン)は、ボーグに対するセキュリティ強化をニコライ・アンドロポフ艦長に命じられ、戦略コンソールのセッティングを行なった。その後、アンドロポフからの呼び出しを受け、スプリントはコンピューター・コアルームへとやってきた。そこで待っていたファーロンとアンドロポフはセキュリティシステムのセッティングがうまくいかないことをスプリントに告げた上で、ファーロンがコンソールのパネルを開けてみせると、ボーグが設置したと思われる未知のデバイスが貼り付けられており、これがコンピューターへのアクセスをブロックしていた。

 スプリントはボーグデバイスの処置に関してアンドロポフから意見を尋ねられるが、触らないほうが得策と判断し、アンドロポフも同意する。そこでファーロンはブリッジにボーグ・ドローンが侵入した時の状況を考え、アンドロポフは船内にボーグが2人侵入したと仮説を立て、オプス士官アナスタシア・ターガス少尉にライチェス艦内の徹底的なスキャンを行うように命令した。

第2部[]

 ターガスのスキャンによって第6ジェフリーズ・チューブに反応が確認され、ファーロンとスプリントはボーグの捜索のために向かう。案の定、2人はボーグと遭遇することになるが、スプリントの機転で危機を脱し、ボーグ・インプラントを手に入れ、情報を引き出すことにした。

 しかし、トリコーダーでは大した情報を得ることができず、ファーロンは船のコンピューターにボーグ・インプラントをつなぐことを提案したが、艦長は危険が大きすぎるとして却下した。その時、スプリントの目に留まったのはターガスの頭につけている医療用インプラントであり、ボーグ・インプラントとリンクして情報を得ることができると考えたのである。ターガスは過去にカーデシア神経性刺激拷問を受けたため、この医療用インプラントをつけていた。

 だが、ボーグ・インプラントをそれに接続するということは、その時と同じような辛い刺激を受ける可能性があったため、カウンセラーベニングトン・ビラカ少佐は反対する。

 それでもターガスはボーグ・インプラントを接続して情報を得ることに同意し、クイントはターガスの首から下の運動神経を一時的に奪った上で、その作業を行なった。ターガスの情報のお陰で、ライチェスはボーグ船と同じ信号を出すことで、攻撃を未然に防ぐことができた。もしも、ターガスの得た情報がなければライチェスは撃沈されていただろう。

 ところが、ターガスからボーグ・インプラントを外す作業に難点が生じた。ファーロンがそれを外そうとして手を怪我した。スプリントは同じようにボーグ・インプラントに触れようとするが、クイントが止める。しかし、スプリントはビジャーニ人であり、ビジャーニ・ペイン・トランスと呼ばれる、苦痛に対する一種の免疫反応を利用し、意識を失いながらも体だけは動き、ターガスからボーグ・インプラントを分離することに成功し、倒れた。

第3部[]

 意識を回復したスプリントは、アンドロポフとファーロンから、未だにセキュリティーシステムへのアクセスをボーグ・デバイスがブロックしたままであることを告げられた。そこでボーグ・デバイスを取り除く方法を探るため、ボーグ・キューブへの偵察の話を聞かされる。あまりに危険な任務であるため、アンドロポフは命令を躊躇う。これに対してクイントが志願するも、ターガスがそれを一蹴した。ターガスとファーロンに加わて結局スプリントが任務に志願し、クイントは彼らへハイポスプレー入りの医療キットを手渡した。そして、3人はボーグ・キューブ内へ転送された。

 ボーグ・キューブに転送されて早々、3人は二体のボーグと遭遇する。(その内の片方は、Qが扮するボーグだったが、)ボーグの習性のためか、ボーグ・ドローンたちは3人を素通りしていった。そして、調査を開始した3人は、そこで、惑星連邦の船にあるようなインターフェースコンソールを発見する。スプリントはボーグを刺激しないように、慎重にコンソールを操作した。

 ボーグデバイスの活動を封じる方法を3人が模索する中、ファーロンは、以前に情報を取り出した時のようにボーグ・インプラントを使用することを思いついた。だが、死んだドローンから入手した回路ではボーグ・デバイスの活動を止めさせることができないと考えたスプリントは、生きているボーグでなければボーグ・デバイスの活動を止められない、と判断した。

 そこで、ファーロンとスプリントは、医療キットのことを思い出し、ハイポスプレーの設定を変えて、ボーグを麻痺させて連れ帰ることを考え付く。

 しかし、スプリントはあえてハイポスプレーを「ビジャーニ人用アドレナリン治療」に設定し、ボーグの目の前で、自分に注射した。これによって人為的にビジャーニ・ペイントランスが引き起こされた。

 スプリントは、ボーグに同化された。だが、ビジャーニ・ペイントランスによって自意識を保ったままボーグとなった。そのため、スプリントはファーロンとターガスを救出し、共にライチェスへと帰還。スプリントはボーグ・デバイスにアクセスし、活動を停止させ、艦のシステムが完全に復旧した。

 そして、彼らの元に訪れたビラカが宇宙艦隊がボーグ船と戦闘を始めたことを報告した。それはウォルフ359の戦いが始まったことを意味していた。

第4部[]

 ボーグによる攻撃が迫る中、ライチェスを含む第3防衛ラインの艦船はJ・P・ハンソン提督の命令により待機を命じられた。ターガスはその命令に不服をこぼし、クイントとファーロンは連邦が劣勢であるという見解を示した。そんな中で、ファーロンはあることを思い出した。それは、息子ケイランのこと。ファーロンは息子の将来に関して心配していた。果たして、息子は将来どうなるのか。その成長を見守れないかもしれない、と考えていた。

 スプリントとターガスはその話を聞いて微笑ましく思ったのだが、そこでクイントが茶々を入れた。そのクイントの行動を分析してビラカが意見を述べると、クイントは癇癪を起して叫び声を上げる。

 だが、クイントが落ち着いた直後、ハンセンより暗号通信が届く。第1、第2防衛ラインが全滅し、第3防衛ラインの艦船に攻撃命令が下ったのである。

 宇宙暦44002.3(2367年)、午前7時58分。ボーグ・キューブは第1防衛ライン、第2防衛ラインを突破し、ライチェスが配置された第3防衛ラインに迫ってきた。直後、USSトルストイがダメージを受けて後退し、USSキュウシュウが攻撃に参加、USSサラトガUSSメルボルンがパワーダウンを起こしたことが、ファーロンの口から告げられた。この光景は、ケイランとQが最初にこの船に訪れた時に見たのとそのままの状況だった。

 そして、ライチェスを破壊するためにボーグ・ドローンがブリッジに転送されてきた。アンドロポフはボーグのアクセスしたパネルをバイパスして切り離すようにスプリントに命じるが、スプリントは、あえてボーグに接近し、アクセスを試みた。

 スプリントは、ボーグ船にライチェスが破壊された、という偽のシグナルを送り、ボーグ・ドローンを機能停止させた。

 ボーグ船はライチェスを無視し、セクター001へと向かう。すると、ここでクイントに成り代わっていたQが本来の姿を現した。そして、スプリントに成り代わっていたケイランを元の姿に戻した。

エピローグ[]

 Qの説明によって、クルーたちは、本来は自分たちがウォルフ359の戦いで死んでいるはずだったことを理解し、このままではケイランの過去や歴史が変わってしまうことを恐れた。Q自身もケイランがライチェスを救ってしまうとは考えていなかったため、後処理に困ってしまう。しかし、それも一瞬のことで、Qは何かを思いついたかのように、指を鳴らした。

 クルーたちが次に目覚めると、そこは10年後のウォルフ359だった。これによって、ライチェスとそのクルーたちは、歴史に影響することなく生き延びることができた。クルーたちはケイランに感謝した。Qとすり替えられて事情を知らない状態のドクター・クイントを除いて。

 直後、ファーロンはボーグ船をセンサーに捉えたことを報告した。

 アンドロポフは、ボーグ船の追跡を命じ、ファーロンは士官候補生となった息子と握手を交わし、ターガスはコースを設定する。

 そして、ライチェスは宇宙空間を彼方へと飛び去っていく。

ルートの分岐[]

USSライチェス[]

 USSライチェス(USS Righteous NCC-42451)は惑星連邦宇宙艦隊が24世紀中頃に保有していたエクセルシオ級宇宙艦

 USSライチェスはカーデシア戦争を生き抜いた名艦であり、艦長はニコライ・アンドロポフ大佐

 2367年初頭に発生したウォルフ359の戦いにおいて、J・P・ハンソン中将指揮下のボーグ迎撃艦隊の一隻として召集され、USSトルストイ、USSキュウシュウ、USSサラトガ、USSメルボルンなどと共に第3防衛ラインに配置された。
 しかし、宇宙艦隊が派遣した40隻の内、39隻がボーグ・キューブの圧倒的な戦力の前に破壊され、ライチェスもまた、宇宙暦44002.5、午前8時。ボーグ・キューブの攻撃を受けて“消滅”した。

公式との矛盾点[]

 ゲームのシナリオ内ではいくつか公式の設定と矛盾する点が存在する。

  • ウォルフ359の戦いは2366年、または2367年に起きた出来事であるが、何故かUSSライチェスのクルーが着ている制服はTNGで用いられているものではなく、DS9VOYで用いられていたものになっている。対照的に、冒頭に登場するUSSシャイアンのクルーたちはTNGで用いられていた制服を着ている。
  • 冒頭で「連邦は二度ボーグとの戦いに勝っている」というセリフから、同時期に製作されていた映画スタートレック:ファーストコンタクトの設定が活かされている。しかし、その一方で「ウォルフ359の戦いから10年後」という説明がされている。換算するとケイランが本来いる年代は2376年、または2377年であり、その年にボーグによる「第三次太陽系侵攻」が発生したことになるが、公式ではそういった描写や説明が全く存在しない(なお、2377年末にはUSSヴォイジャーボーグ・スフィアと共に地球の手前まで到達しているため、これを「第三次太陽系侵攻」と見做した可能性はある(VOY: 道は星雲の彼方へ)。ただし、このゲームが制作された際にはスタートレック:ヴォイジャーは完結していなかったため、その可能性は低い)。
  • 日本語版での音声を聞いてみると、機械類の効果音(パネル操作、フェイザーの出力調整、ボーグの歩行音など)がテレビシリーズで用いられているものと異なる。(英語版は通常通りである)