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 USSエンタープライズ(Enterprise NCC-1701-B)は、惑星連邦宇宙艦隊が保有するエクセルシオ級宇宙艦である。

概略[]

 USSエンタープライズBは2293年地球軌道上のドライドックで、ジョン・ハリマン大佐指揮下で就役した。進水式では、2265年ビンテージドン・ペリニヨンで洗礼を受けた。

 同艦の処女航海式典には前世代のエンタープライズの元乗員であるジェイムズ・T・カーク大佐とモンゴメリー・スコット大佐、パヴェル・チェコフ中佐が来賓として招かれ、多くのジャーナリストが同席して行われた。処女航海では艤装がすべて完了しておらず、光子魚雷トラクター・ビームは翌週火曜日に設置予定であった。また、クルーも全員揃っておらず、医療スタッフはまだ配属されていなかった。

 処女航海に出発するための発進命令を、ハリマン大佐はカーク大佐に述べてもらうよう求めた。カークは最初は断ったが、説得に応じてジャーナリストらが見守る中、エンタープライズBの最初の発進命令を出した。処女航海は冥王星を回って地球へ戻る予定で運行され、その間来賓らに艦内のツアーを行った。元機関部長のスコット大佐は「すばらしい艦だ」と感想を述べている。操舵士官にはアカデミーを卒業したばかりの新任士官であるデモラ・スールー少尉が配属されており、カークは自分の元部下であるヒカル・スールーの娘である彼女に「スールーが舵を取らなければエンタープライズじゃない」と述べ、彼女の門出を祝福した。

Enterprise B bridge

USSエンタープライズBのブリッジ

 この処女航海は宣伝と式典が目的であり、太陽系外に出る予定ではなかった。しかしながら、式典の途中で二隻の連邦輸送船SSラクール及びSSロバート・フォックスからの救難信号を受信した。輸送船はエル・オーリアンの難民を地球に輸送する途中で突如ネクサスと呼ばれるエネルギー・リボンに捕われた様だった。不幸にも付近には他に救援に応じられる艦がなく、エンタープライズは装備が未完なまま救援に向かうこととなった。

 現地に到着したエンタープライズは設備不足から救助に手間取っていたため、救出する間もなくロバート・フォックスが破壊されてしまった。ハリマン大佐の要請でカーク大佐が救出任務のアドバイスを行い、危険を承知でエネルギー・リボン内に艦を進め、ラクールから乗員を直接転送収容を行い、47名のみ救出に成功した。救出した難民の治療は、医療スタッフが不在であったためチェコフ中佐が数名のジャーナリストの協力を得て行った。この時救出された中に、後にUSSエンタープライズDバーテンダーを務めるガイナンや、トリアン・ソラン博士がいた。

USS Enterprise-B caught in nexus

ネクサスに捕われるエンタープライズ

 ラクールの乗員を救出したが、エンタープライズは自らもエネルギー・リボンに捕われ身動きが取れなくなってしまった。そこで、スコット大佐は反物質爆発をディフレクター盤でシミュレートする共鳴パルスを発射し、力場を崩壊させるというアイデアを出した。カーク大佐は自らディフレクター改造を買って出て、無事に力場を崩壊させることに成功した。しかし、脱出の直前にエネルギー・リボンに接触しカークのいたディフレクター室付近の船体がダメージを受けた。このダメージによりカークは行方不明となり、エンタープライズBの処女航海はカークが殉職した事件として記憶されることとなった。(スタートレック:ジェネレーションズ

 その後、エンタープライズBは地球で修理を受けてから、ゴーラミ・セクターの調査と星図作成を行い142の星系を訪れ、17の生命体文明ファースト・コンタクトを果たし、USSエンタープライズCの就航まで宇宙艦隊の旗艦として功績を残したのだった。(Star Trek: The Next Generation Technical Manual

 エンタープライズBは2367年までUSSエンタープライズDの観察ラウンジの壁のレリーフとして飾られ、更に2373年にはUSSエンタープライズEの会議室に模型が飾られていた。(新スタートレックスタートレック:ファーストコンタクト

クルー情報[]

付録[]

登場回[]

背景[]

Enterprise legacy

2364年のエンタープライズのレリーフ

 エンタープライズBは『スタートレック3:ミスター・スポックを探せ』でビル・ジョージがデザインしたUSSエクセルシオのモデルを再利用したものだった。このオリジナルのエクセルシオ級のモデルに対して、ジョン・イーブスハーマン・ジマーマンは幾つかの改造を施した。円盤部に2基のインパルス・エンジンの追加、エンジン・ナセルの形状変更及び発光、第二船体のバルジ等である。また、エクセルシオ級の船体の青いラインカラーはコモガ色に変更された。第二船体のバルジはネクサスでエンタープライズが損傷を受けてもオリジナルのエクセルシオのモデルが無傷であることを目的として追加された部分であった。これは、プロデューサーのリック・バーマンが他のテレビシリーズでもモデルを流用できるようにと、原型復帰を求めていたためでもあった。また、ネクサスに突入するエンタープライズは模型ではなくCGIモデルが使用された。

 しかしながら、エクセルシオのモデルに接着した各種改造は接着剤の都合で外そうとすると元のモデルも破損してしまうことが判明したため、原型復帰は行われなった。その後、このエンタープライズのモデルはUSSラコタとしてナンバリングを修正して再利用された。(DS9: 地球戒厳令・後編

 ブリッジのセットは『スタートレック5:新たなる未知へ』でのエンタープライズのブリッジを改良したものだった。また、『スタートレック:ジェネレーションズ』のアマゴサ観測基地のセットもこのセットが流用された。エンタープライズの医療室のセットは、映画冒頭のドライドックのシーンで使用されたものを流用した。しかし、ディフレクター制御室のセットのみが新造されたものだった。

 エンタープライズBがエクセルシオ級であることは、『新スタートレック』の放映当時から決まっていた。エンタープライズDの観察ラウンジの壁には歴代のエンタープライズのレリーフが飾られており、ここでは明確にエクセルシオ級のレリーフが飾られていたのだった。しかし、このレリーフは映画で採用された強化型エクセルシオ級ではなく、通常のエクセルシオ級のものだった。しかし、その後エンタープライズEで飾られる歴代エンタープライズの模型は、強化型エクセルシオ級のモデルが採用された。尚、エンタープライズDのレリーフのアンバサダー級も実際に採用されたアンバサダー級のものとは違うものとなっている。このレリーフはデフォルメされたものであったのかもしれないと解釈されている。

 エンタープライズBの追加インパルス・エンジンは、噴射によって後方のワープナセルを損傷する位置にある。これはもともとこれらの構造物がエンジンではなくシャトルベイとして設定されたからである(シャッターが付いている)。製作当時のVFXは、PCに取り込んだ素材にデジタル加工を施す作業が一般化したため、模型を電飾する必要がなくなった。そのせいでデジタル編集スタッフが電飾されていない追加シャトルベイを誤解して赤い発光効果を付けてしまったのである。インパルスエンジンとシャトルベイを取り違える誤解は『ファースト・コンタクト』で初登場したエンタープライズEにもある(「スタートレック・メカニクス(岸川靖著)」に掲載された製作途中のエンタープライズEの写真では、インパルスエンジンは開閉シャッター付きのシャトルベイとされており、『ネメシス』で登場したフォースフィールド付きのシャトルベイがンパルスエンジンとされている)。

 40 Years of Star Trek: The Collectionでは、エンタープライズBの模型(Lot #998)がオークションに出された。このモデルは2006年10月7日に当初の落札価格11万USドルに対して13万2000USドルで落札された。

 尚、eBayのIt's A Wrap! sale and auctionのオークションで非常警報発令時のエンタープライズBのブリッジセットでコンピュータ画面に表示されていたレーダーと亜空間スキャンのグラフィックのビデオ・テープの箱が安く売り出された。[1]

非正史[]

外部リンク[]

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