USSジェノーラン(USS Jenolan NCC-2010)は、23世紀後期に惑星連邦宇宙艦隊が所有していたシドニー級の輸送艦 である。
2294年 、ジェノーランはノルピン・コロニーへ向かう途中にプラズマ・トランスファー・コンジットの一つがオーバーロードを起こした。同艦の艦長が艦をワープ・アウトさせた際に宙図に載っていないダイソンの天球 の重力場によって干渉を受けた。
ジェノーランは発見した天球の地表に対して標準的なスキャンを行った。その結果何百もの通信アレイ を発見したため対話のための呼びかけを行ったところ、天球のドッキング用トラクター・ビームを起動させてしまった。ビームは艦の捕捉を試みたが、この結果艦のシステムがオーバーロードを引き起こし後部パワー・コイルの爆発を招いた。
制御不能となった同艦は天球の重力の井戸に捕えられ、天球の北半球に墜落し乗員2名を残して全員が死亡した。艦自体はメイン・ドライブ・アセンブリとメモリ・コアに多大な損傷と、軽度の船体損傷を被った。さらに誘導装置が溶け落ち電力結合回路は破壊された。
生存者のマット・フランクリン少尉と乗客のモンゴメリー・スコット大佐は難破したジェノーランから脱出する手段がないため、救出が来るまでの間生き残る確立を最大にするために、転送装置を補助システムと接続して動力源とし、再物質化サブルーチンを切ってパターン・バッファを分析モードのまま固定し、転送機の中で救出を待つという方法をとった。
それから75年後の2369年、ジェノーランは同じくダイソンの天球の重力場に引っかかったUSSエンタープライズDにより発見された。副長ウィリアム・T・ライカー中佐らが乗船した際、機関部長のジョーディ・ラフォージ少佐が転送機のバッファからスコットを復元し、救出したが、一緒に転送バッファに入っていたフランクリン少尉はパターン解像度が分解したため死亡した。
その後、ダイソンの天球に関する調査を行っていたエンタープライズは、ジェノーランをサルベージ、及びセンサーデータを回収するために、再びスコットとラフォージを乗船させたが、直後にエンタープライズはダイソンの天球に引き込まれてしまった。この間にスコットとラフォージはジェノーランの通常エンジンとシールドを復旧させた。
そして、スコットはジェノーランをダイソンの天球のエアロックの間につっかえ棒をさせる形でエンタープライズをダイソンの天球から脱出させる案を出し、二人はそれを実行した。この際にジェノーランはエンジンが故障したため、スコットとラフォージを転送収容後、やむ得ず光子魚雷で破壊。エンタープライズはジェノーランが作ったエアロックの隙間からダイソンの天球を無事脱出できた。(TNG: エンタープライズの面影)
シドニー級宇宙艦 |
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USSジェノーラン • USSナッシュ |
付録[]
背景[]
ジェノーランの名の由来はナレン・シャンカーと登場エピソードの脚本を担当したロナルド・D・ムーアがシドニーでのコンベンションに参加した際に訪れた近郊の観光名所「ジェノラン洞窟」である。(Star Trek: The Next Generation Companion)
ジェノーランのモデルは『スタートレック6:未知の世界』に登場した輸送シャトルの再利用である。ただし上下を逆にして23世紀スタイルのワープ・ナセルが付け加えられている。
艦名の綴りについて、登場エピソードの台本やコンピュータディスプレイの表記は Jenolanだが、モデルには Jenolinと表示されており、クローズド・キャプションや『Star Trek Encyclopedia』『Star Trek Fact Files』『Star Trek: The Magazine』などの関連本では Jenolenとなっている。